<p>美しく描かれた東京の街にはこんな裏側が!? 「Ghostwire: Tokyo」開発事例で公開された数多の手法</p><p>美しく描かれた東京の街にはこんな裏側が!? 「Ghostwire: Tokyo」開発事例で公開された数多の手法 #Ghostwire #Unrealfest</p><p>Tango Gameworks(ゼニマックス・アジア)は5月27日、ゲームエンジン「Unreal Engine(以下、UE)」について学べるオンラインイベント「UNREAL FEST EXTREME 2022 SUMMER」にて、PS5/PC(Steam)用箱庭型アクションアドベンチャーゲーム「Ghostwire: Tokyo™」の開発事例紹介を行なった。</p><p>独特な世界観を生み出している大きなポイントともなっている天気の演出についても、ゲームの仕様上特に重要となる「霧」について今回は語ってくれた。霧の表現は、カメラに追従して範囲数十メートルのボリュームフォッグパーティクルを出す「近景霧」、景色が抜けた際の遠景部分をカバーする「遠景霧」、高所から街を見下ろした際に霧が覆っているように見た目を維持する「雲海」の3つの要素で構成されており、それぞれがプレーヤーにマップの景色として違和感を与えないようにお互いをカバーしている関係となっている。プレイしていると意外と小さな違和感でも気になってしまうため、細部まで違和感を消す努力を惜しまない姿勢には感服である。 「近景霧」だけだと、景色が抜けた際に遠景には霧ないのに、その遠景の場所に向かったら霧が出ているという矛盾が生まれてしまう。そのために「遠景霧」は遠い場所の矛盾をなくすために、「雲海」は町全体を見た時の違和感を消すためにお互いが作用している 霧が参照している「霧マップ」は、上空からみたマップ全体のXYの霧の発生状況をテクスチャに投影したもので、プライマリー、セカンダリ、演出バッファの3つで構成されている。開放時の演出やプリミティブ感を消すノイズなど、リアルタイム性の高いものについては毎フレームプライマリバッファを参照しながら、演出バッファに雲のように流れる演出を書き込むことでリアル性を担保している。 他の天気演出で言うと、雨・雪の場合は「近景霧」と同じように基本はカメラ周辺にだけパーティクルを振らせて対応している 「MPC」や「Niagara」、「光過敏症対策」など。効率よく効果的な調整 「MPC」にはマテリアル内で参照できる数に2個の制限があるため、野良MPCは禁止として頻繁に使用するものと通知していたらきりがないパラメーターを中心に登録したとのことだ。MPCの乱立防止や全体に関係ないパラメーターが入ってないか等の最低限の管理が必須となるが、構造物の物量が多い本作においては重宝したと奥川氏は語った。 【MPC使用例】 続いて取り上げたのはビジュアルエフェクトシステム「Niagara」についてだ。開発初期段階ではリリースされていなかったため「Cascade」だけで運用していたところ、「Niagara」でしか表現できない物が増えたため「Cascade」で表現できるものはそのまま作り、「Niagara」でしか表現できない物のみ「Niagara」で作る、という形で徐々に導入する形となったとのことだ。既存の「Cascade」で制作した資産をそのまま使えたため変換コストなどがかからず、プログラマ側の負担も最小限で運用できたらしく純粋に表現の幅が広がったことで導入の価値はあったと奥川氏は言う。 【作成したモジュール一例】 昨今グローバル展開を想定しているタイトルでは対応必須となっている「光過敏症対策」についても今作で実際に行なった施策を紹介してくれた。例えば、敵が近くにいる際に発生する看板やライトが点滅する「予兆演出」では光源となる物体に近づいていくと点滅がどんどん弱くなり最終的には消える、ビルの側面スレスレで落下した場合に窓と壁が交互に高速で表示されることで点滅のように映ってしまう問題をMPCに書かれたプレーヤーの落下速度を取得しカメラとの距離を算出して窓ガラスを黒くする処理を入れるなどあらゆるパターンで問題になり得る箇所を技術力でカバーしている。 なるべく表現のクオリティを落とさないように条件を限定して対策を行ない、それでいてなるべく負荷にならないように処理はGPU側で完結できるように対応したとのこと。ゲームを制作する上で想定し得る事態に対して配慮は必要不可欠だが、その中でもクオリティを維持しつつ、最初から様々な表現に対応できるように予め施策を加える姿勢は素晴らしい。 【VFXの一例】 今回「Ghostwire: Tokyo™」にて実際に使用された様々な演出・技術・施策を垣間見ることができた。膨大なコンテンツ量と美麗グラフィックスが魅力の1つである本作が、単純な物量ではなく実は表現方法や技術の工夫で“効率よく効果的に”容量や工程を節約しつつも、それでいて高クオリティを維持していた作品だったというのが驚きつつも見方が変わる発見だった。 本セッションの最後に奥川氏は本作について、縦横無尽に立体的な探索が可能な都市マップの背景表現や、トレンドの仕様も多く採用できたUE4の末期タイトルとして詰め込めれるだけ詰め込んだ作品だと語っていたが、まさに技術の結晶を凝縮したような作品だったと筆者は感じた。 【Ghostwire: Tokyo™開発事例:ノンリニアな東京の街を表現する | UNREAL FEST EXTREME 2022 SUMMER】 Amazon/楽天で購入</p>