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<p>京都の“奥”をデザイン。谷尻誠・吉田愛〈サポーズデザインオフィス〉らクリエイターが手掛けたホテルの中身とは?</p><p>気軽に宿泊できる17㎡のモデレートツインなど全10種類の部屋タイプを用意し、宿泊料金は1万円から。⇒ 谷尻誠・吉田愛〈サポーズデザインオフィス〉らクリエイターが手掛けた #京都 のホテル をたっぷりお見せします!</p><p>〈サポーズデザインオフィス〉が空間デザインを手がけたホテル〈hotel tou nishinotoin kyoto〉が、京都・西洞院通沿いに開業した。建築や庭、書籍、フード……クリエイターが解釈した京都の“奥”には何がある?</p><p>町屋をイメージした〈hotel tou nishinotoin kyoto〉外観。 昔ながらの京町家が残る西洞院通。〈hotel tou nishinotoin kyoto〉はファサードに黒を効果的に取り入れることで、趣深く調和する周囲の景色を一切乱すことなく、モダンな佇まいを保っている。エントランスを開くと、コッパーで囲まれた通路が現れ、その雰囲気は一変する。ホテルにおける体験の始まりとなる“奥”へと誘うこの通路は、西洞院通随一のフォトジェニックな空間だ。 待合用に寛げるソファが壁際にデザインされ、広々と設計されたロビー。差し込む光が優しく空間を照らす。 和紙職人ハタノワタルが手掛けたテーブル。このほか、ホテルのアートワークも氏が手掛けている。 〈バッハ〉が選書した本棚。好奇心をくすぐる様々なジャンルの本は、部屋やカフェに持ち込むこともできる。 黒を基調としたやや暗めのロビーには、心斎橋の会員制餃子〈冫(にすい)〉などの内装も手がける京都の和紙職人ハタノワタルによる円盤の黒いテーブルが鎮座する。幾層にも重ねられた和紙の表面を削り仕上げられた独特な風合いだ。また、小さなライブラリーも併設しており、選書は幅允孝が主宰する〈バッハ〉によるもの。「京都の奥を知る」など5つのテーマごとに、気軽に読めるガイド本をはじめ、重厚な美術書や写真集まで、ホテルで過ごす時間を充実させる本と出合えるかもしれない。 畳のある部屋は様々なバリエーションを用意。 空間を広々と使用できるミニマルなデザインが特徴。 テラス付きの部屋は、31㎡。4人まで宿泊できる。 部屋数は全部で121部屋。宿泊料金を1万円〜と設定しているだけあって、気軽に宿泊できる17㎡のモデレートツインから、宿泊人数や部屋の広さによって全10種類の部屋タイプが用意されている。最もグレードが高い31㎡の「touプレミアムキング」は、京都の街を一望できるテラス付き。どの部屋もミニバーやタオル、ルームウェア、ヘアドライヤーなどは、全て戸棚に収納されたミニマルな空間。しかし、障子やベッドカバーの生地、部屋によっては設けられた畳のスペースには和の要素がさりげなく散りばめられ、京都の奥ゆかしさをも演出している。 洞窟をイメージした大浴場の奥には庭園。“深海”と名付けられている。 部屋にはもちろん浴室が設けられているが、地下1階の日本庭園を備えた大浴場にも足を運びたい。作庭家、橋本善次郎が率いる〈ランドスケープ ニワタン デザイン+アルチザン オフィス〉が手がけた庭園のテーマは、「洞穴を抜けた先にある空間」。ここもロビー同様に黒を基調とした内装がまさに洞窟のようで、奥には大きな岩がシンボリックに置かれ禅を感じさせる。 76席を用意したダイニング。中央にはオープンキッチンを配置した、開けたデザイン。 ロビーにも鎮座する迎石(ゲイセキ)はダイニングにも。ホテルのシンボリックとして、空間の格を高めている。 京の米老舗〈八代目儀兵衛〉の米を使った「おかいさん」が主役の和朝食、2,200円。 卵やハム、クロワッサンをそろえた王道の洋朝食。これに〈オールプレス・エスプレッソ〉のスペシャリティコーヒーが付く。金額は和朝食と同額の2,200円。 朝食はカフェバーとしても利用できる、1階の〈cafe&bar oku〉でいただく。「京都の食の深みは素材の旨味の奥深さや質素な贅沢を生み出す事にある」と解釈するのは、数々のブランドカフェを手掛けてきた〈ユニテ〉だ。看板メニューは和朝食で、京の米老舗〈八代目儀兵衛〉の米を使った「おかいさん」が主役。もっちりと炊かれたお粥は米の甘みと深みを楽しめる仕上がりで、地元でも行列が絶えないという米老舗の本物の味を堪能できる。ちなみに、洋朝食は京都初上陸となる〈オールプレス・エスプレッソ〉のスペシャリティコーヒーが付き、地元の人にも重宝されそうだ。またカフェバーの時間帯には、一保堂茶舗の「京銘茶」を使ったほうじ茶や抹茶ラテ、京都醸造のクラフトビールなど、京都の定番をそろえているのも嬉しい。 建築デザインや庭、書籍、フード……様々な角度から“奥”を解釈した〈hotel tou nishinotoin kyoto〉では、出張でも、観光でも、その人に沿った京都らしさがさりげなく寄り添ってくれる。「もう一泊していこうかな」、そう言いたくなる居心地のよさと名残惜しさを感じるはずだ。 〈hotel tou nishinotoin kyoto by withceed〉 京都府京都市下京区西洞院通花屋町下る西洞院町455</p>