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「翰苑(かんえん)を読んだか」「まだ読めていません。秘書省の書閣にあることは知っていますが」井真成に頼まれて一緒に書閣に入った時、真成は史書の棚にある『翰苑』を手に取ろうとした。すると受付の係員が竹の鞭で書棚を叩き、閲覧を申請した書物以外は見るなと注意したのだった。「わしはある寺…