興和はこのほど、新型コロナウイルスの抗原検査キット「アンスペクトコーワ SARS-CoV-2」を発売すると発表した。付属の綿棒を用いて、日本で初めて体外診断用医薬品として口腔内から直接唾液を採取し検査できる。3日に発売した。月100万個以上の販売を目指す。
同キットでは、唾液を容器に吐き出す必要がなく、口腔内から直に唾液検体を採取する「直接採取法」により被検者自らが簡便に検査を行うことできる。唾液検体をテストカセットに滴下し、判定部にどのように線が見えたかで陽性・陰性を判定する。検査時間は15分。
PCR検査の結果と比較した陽性一致率は72・3%。陰性一致率については100%との結果を得ており、同社は偽陽性の判定が出にくいキットだとしている。ウイルスのなかでも変異が起こりにくいNたんぱく質を検出のターゲットとしており、これまでに報告されている種々の変異株にも使用できる。
医療施設や調剤薬局、ドラッグチェーンで販売し、企業や自治体での購入も可能。製造販売元は医学生物学研究所で、販売は興和が担う。2日に開いた記者会見で、同社の伊藤基洋常務執行役員は「PCR検査事業を展開するなか、ニーズが簡便な抗原検査キットに移行している」と説明。新たに製品群を拡充し需要を取り込む。
新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)
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