911 GT3 with Manthey Performance Kit
ポルシェとマンタイ・レーシングが共同開発
マンタイ・パフォーマンスキットは、エアロダイナミクスとシャシーコンポーネントの改良が中心となり、ヴァイザッハのエンジニアと、マンタイ・レーシングのニュルブルクリンク・スペシャリストが密接に協力して開発された。サーキット走行に最適化されたポルシェ テクイップメントの911 GT3専用キットは、ポルシェ センターにおいて販売される。
マンタイ・パフォーマンスキットを装着することで、911 GT3は、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおけるサーキットアタックにおいて、6分55秒737を記録。これはキットを装着していない911 GT3より4.19秒も速いタイムとなる。
前後のダウンフォースレベルを大幅に向上
エクステリアにおけるトピックとなるのが、空力パッケージの変更だろう。大型化されたスポイラーリップとサイドフラップをフロントセクションに装着。さらにアンダーボディのエアガイドエレメントを改良したことで、フロントアクスルのダウンフォースレベルを大幅に増加させた。
スワンネック型リヤウイングはワイド化され、ガーニーフラップを採用。“Manthey”のロゴが入れらた翼端版も大型化され、ウイングの迎角もより大きく変更された。リヤディフューザーに配置された6枚のフィンは後方に延長され、CFRP製に変更。リヤホイールに装着されたエアロディスクもCFRP製となり、空力効率をさらに高めている。
さらに、ドアプロジェクターと“Manthey”ロゴ入りのイルミネーションドアシルガードにより、911 GT3をレーシーに演出する。
工具なしで4段階の調整が可能な足まわり
足まわりには、ポルシェとマンタイがサーキット走行に特化した911 GT3専用の4ウェイ・コイルオーバーサスペンションを共同開発。サスペンションストラットは工具を使うことなく4段階の調整が可能となっている。スプリングレートの変更により、サーキットの限界域におけるハンドリング性能の大幅アップを実現。また、日常的な使い勝手は一切妥協していないと、ポルシェは胸を張る。
また、20インチと21インチの軽量鍛造ホイールセットをオプションで用意。この軽量ホイールを装着することで、バネ下重量を合計7.3kgも削減できる。カラーはブリリアントシルバー、ダークシルバー、ネオダム、サテングロス・ブラックの4色から選択可能となっている。
キットにはスチールブレードのブレーキラインを標準装備。ブレーキパッドは正確な圧力ポイントが保証されており、ブレーキング時の最適なモジュレーションを提供する。また、マンタイ・パフォーマンスキットを装着した911 GT3専用オプションとして、レーシングブレーキパッドも用意された。
エストレがノルトシュライフェで6分55秒737を記録
今回、ポルシェのワークスドライバーのケビン・エストレが、マンタイ・パフォーマンスキットを装着した911 GT3のステアリングを握り、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェにおけるサーキットアタックを敢行。1年前に標準モデルの911 GT3が記録したタイムを4秒19も縮め、6分55秒737で20.8kmのコースを駆け抜けた。
どちらの911 GT3もオプションのミシュラン・パイロットスポーツカップ2 Rタイヤを装着。このラップタイムは、現地で立ち会った公証人により正式認定された。
ポルシェ テクイップメントの911 GT3用「マンタイ・パフォーマンスキット」は、欧州のポルシェセンターにおいてオーダーをスタート。デリバリーは2022年秋から開始される。また、日本を含めたその他の市場においても、順次リリースされる予定だ。