今回は、「抵抗の基礎」についての説明です。
抵抗の用途
電気回路の基礎で抵抗は電流の流れにくさだと述べましたが、電流の流れを妨げるもの自体も抵抗と呼びます。
厳密には抵抗器なのですが、省略して抵抗と呼んでいるのが現状ですね。
電気回路で使用されている抵抗は、流れる電流を調整する、電圧を分配する、時定数を決定すると言った重要な役割を持っています。
抵抗の種類
実際にどんな抵抗があるのかをいくつか紹介します。
カラーコード
炭素皮膜抵抗/金属皮膜抵抗にはカラーコードと呼ばれる抵抗値と許容差を示す色の帯(バンド)があります。
帯は大体4本で構成されているので、その見方について記述します。
5本と6本のものもあるらしいのですが、私は見たことがありません。
図2に示したように4つの帯があるわけですが、左から順に第1色帯~第4色帯と呼ばれます。
第1色帯と第2色帯が数値、第3色帯が10の何乗か、第4色帯が許容差を示しています。
カラーコードは以下のようになっています。
色 | 第1色帯 | 第2色帯 | 第3色帯 | 第4色帯 |
黒 | 0 | 0 | ×100 | - |
茶 | 1 | 1 | ×101 | ±1% |
赤 | 2 | 2 | ×102 | ±2% |
橙 | 3 | 3 | ×103 | ±0.05% |
黄 | 4 | 4 | ×104 | ±0.02% |
緑 | 5 | 5 | ×105 | ±0.5% |
青 | 6 | 6 | ×106 | ±0.25% |
紫 | 7 | 7 | ×107 | ±0.1% |
灰 | 8 | 8 | ×108 | ±0.01% |
白 | 9 | 9 | ×109 | - |
金 | - | - | ×10-1 | ±5% |
銀 | - | - | ×10-2 | ±10% |
無 | - | - | - | ±20% |
例えば、第1色帯~第4色帯が茶茶赤金となっていたら、11×102=1100[Ω]で許容差は±5%となります。
抵抗値とE系列
抵抗値は、13Ωや47Ωといった一見中途半端に感じる値のものが存在します。
これらの値は規格で定められていて、E系列と呼ばれます。
E12系・E24系・E96系などが存在します。
Eは指数のeで、E12系列なら1~10の数字を12√10(10の12乗根)で12分割したものになります。
言い替えると、対数グラフ上で等間隔になるように分割した値になっています。
※ 意味がよくわからなくても特に問題無いです。
E24系列が最も一般的なので、E24系列について載せておきます。
1.0 | 1.1 | 1.2 | 1.3 | 1.5 | 1.6 | 1.8 | 2.0 |
2.2 | 2.4 | 2.7 | 3.0 | 3.3 | 3.6 | 3.9 | 4.3 |
4.7 | 5.1 | 5.6 | 6.2 | 6.8 | 7.5 | 8.2 | 9.1 |
また、E系列はコンデンサにも適用されています。
以上、「抵抗の基礎」についての説明でした。
【基礎から学ぶ直流回路】
◎抵抗の基礎 ~種類やカラーコードの見方
◎直列接続の考え方
◎並列接続の考え方
◎抵抗と並列に導線を繋いだ場合の電流の流れ
◎基準点による電位の変化
◎導体の電気抵抗 ~抵抗率と導電率の関係
◎キルヒホッフの法則
◎重ね合わせの理
◎テブナンの定理
◎ノートンの定理
◎テブナンの定理とノートンの定理の関係
◎ミルマンの定理
◎ブリッジ回路と平衡条件
◎ホイートストンブリッジ回路とメートルブリッジ回路
◎ブリッジ回路のΔ-Y変換
◎電圧源と電流源 ~等価電源と理想電源の違い
◎電圧源と電流源を含む回路の考え方
◎電圧源と電流源の接続方法の注意点
◎起電力と内部抵抗が等しい電圧源を複数並列に繋いだ場合の考え方
◎電力とジュールの法則
◎チップ抵抗器の定格電力と外形寸法表記
◎最大電力 ~最小定理の考え方
◎複数の電源から供給される電力の割合