| さすがにアメリカの納車待ちオーナーたちは心中穏やかではないと思う |
ようやく発売となったものの、まさかの結末に
さて、メルセデス・ベンツは先日「開発に5年を要した」ハイパーカー、メルセデスAMG Oneを発表したばかりですが、なんと「北米(アメリカとカナダ)」では合法に登録ができない、とのこと。
これは公式にメルセデス・ベンツの広報が発表した内容であり、その理由としては以下の通り。
AMG-ONEは、世界選手権で優勝したメルセデスAMGペトロナスのF1 E パフォーマンス・ドライブユニットを直接技術移転し、公道用に供するという一つの目標を持って開発されました。フォーミュラ1のドライブユニットをロードカーに搭載することは、前代未聞の試みです。
1,000馬力以上のパワーと4つの電気モーター、そして時速350キロという驚異的な最高速度を誇るAMG ONEのすべてのコンポーネントは、ハイパフォーマンスを再定義するために設計されています。そのエンジンの原点はコンペティションにありますが、絶え間ない開発と改良の結果、米国市場において難しい決断を迫られることになりました。
そして我々は、F1パワートレインならではの特徴を維持するため、”米国の道路基準を満たすことは、その性能と全体的なドライビングキャラクターを大きく損なう”という結論に達しました。よって我々は、適用される規制を満たすヨーロッパのみにて、このクルマを公道走行用に提供するという戦略的決断を下したのです。
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結局、アメリカでは登録ができない?
このメルセデス・ベンツの発表はいささか衝撃的とも言えるもので、といのももともとメルセデスAMG Oneは「公道で乗れるF1マシン」というコンセプトを持っていたわけですが、結果的に「公道では乗れない」ということに。
現在スーパーカーやハイパーカーの最大の市場というと、これはもうダントツでアメリカとなり、そのアメリカで登録できないとなるとメルセデス・ベンツにとっては大きな損失となりそうです。
そして問題は、アメリカの顧客がいつの時点でこの事実を知らされたのかということですが、AMG Oneが発売されたのち、つまりつい最近となると「えぇ・・・」となったりしそうですね。
しかしながらアメリカならではの抜け道も
ただ、アメリカにはこういった問題の「抜け道」もあって、アメリカの法規を満たさないクルマであっても「ショー・アンド・ディスプレイ」という名目にて登録でき、これは文字通り(建前上は)ショーなどの展示にしか使用できないという特例措置ですが、「移動」のためにある程度の走行距離が認められています。
なお、こういったハイパーカーを所有する人はほかにもたくさんクルマを持っていて「乗らなくてはならないクルマがたくさんある」のだと思われ、よって年間2500マイル(4000キロ)も走ることはまずないと思われるため実際の問題はないのかもしれません。
加えて、メルセデスAMG Oneは将来的に大きく値上がりすることは間違いないと考えてよく、よって購入した人々は(たとえ合法に走行できないとしても)これを資産として捉え、キャンセルすることなく納車を受け、自身のガレージに収めることになるものと思われます。
参考までに、アメリカでは合法に登録できず、しかしショー・アンド・ディスプレイ法によって登録されているスーパーカー/ハイパーカーとしてはマクラーレン・スピードテール、ケーニグセグOne:1、ヘネシー・ヴェノムGT、ブガッティEB110といったクルマが存在します。
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