ひと昔前は人気のあった“あのカテゴリー”も、今や風前の灯火状態に……。全盛期を知るオールドファンにとっては何とも寂しいかぎりだが、とはいえイマドキのクルマのなかに骨のあるモデルがまだまだ存在することも事実。
そこで! ここでは軽オープン2シーターにVIPカー、ホットハッチに軽ホットハッチ、さらにはステーションワゴンという5つのカテゴリーにおける狙い目の一台を紹介。いつの時代もマジョリティよりマイノリティでありたい、というそこのアナタ。だったら、絶滅危惧種を狙うのがイイかもよ。
※本企画は「生産終了がすでに決まっている車種」と、「ライバル不在でジャンルごと消滅しそうだけど頑張っている車種」が並列して出てきますので、ご注意ください。立場は大きく違いますが、どちらのクルマもとってもお薦めです!!
文/FK、写真/スズキ、ダイハツ、日産、マツダ
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軽オープン2シータースポーツ最後の砦、2代目コペンに乗りたい!
新骨格構造のD-Frameや内外装着脱構造のDRESS-FORMATIONの採用が話題を呼んだ2014年登場の2代目コペン。64psの最高出力を誇るツインカムDVVT 3気筒12バルブインタークーラーターボ付きエンジンと、入念なボディチューニングによって高い曲げ剛性&ねじり剛性を実現したD-Frameが織りなす軽快な走りもさることながら、その最大の特長はひとつのモデルで「ローブ」、「XPLAY」、「セロ」、「GR SPORT」という4タイプの異なるデザインを展開していること。
加えて、コペンの個性を際立たせているのがDRESS-FORMATIONだ。実は、先に紹介したローブとセロは樹脂外板(ボンネットフード、トランクフード、フロントとリアのバンパー、フロントとリアのフェンダーなど)に互換性があり、全身の着せ替えはもちろん、フロントだけ、もしくはリアだけの着せ替えも可能で服をコーディネイトするかのように外板の着せ替えを楽しむ……という新たな価値観も生み出した。
S660が2022年3月で生産終了となり、軽オープン2シータースポーツ最後の砦となったコペン。個性の塊とも言える不世出の一台なだけに「一度は乗ってみたい」と思うのは誰でも同じ!?
絶滅寸前のVIPカーが欲しいなら、5代目シーマの中古車を狙うべし?
3月末に「2011年の夏で生産終了」と報じたられたシーマ。1988年1月に登場するやいなや“シーマ現象”という言葉が流行するほどの人気を獲得した初代モデルは、最近では女優として活躍する伊藤かずえさんの所有車がフルレストアされて大きな話題にもなった。
そんなシーマは1991年、1996年、2001年、2012年と4度のフルモデルチェンジを実施。5月21日で10周年を迎える現行の5代目は、VIPカーたる威厳を放つ高級感と存在感にあふれたエクステリアや最上級のホスピタリティと広くて快適な室内空間をサポートするインテリアが、まさに日産のフラッグシップセダンと呼ぶに相応しい仕上がり。
レスポンスに優れた走りと低燃費を両立するシンプルかつ高効率な1モーター2クラッチ方式インテリジェントデュアルクラッチコントロールを採用したハイブリッドシステムも好評を博した。
昔も今もVIPカーの象徴として君臨してきたシーマは今後、中古車市場でその余生を過ごすことになりそうだが、旧モデルは見栄が張れて財布にやさしいコスパ抜群の中古車として人気なだけに、5代目も中古車相場がこなれるのを待ってから買うのが吉かも!?
ホットハッチならではの“軽い・速い・安い”の三拍子揃ったスイフトスポーツ
軽量コンパクトなボディに高性能エンジンを搭載して、スポーツクーペ顔負けの走りを披露したホットハッチ。1980年代に多くの名車が誕生したこのカテゴリーも絶滅の危機に瀕している。
しかし、イマドキのクルマも捨てたもんじゃない! 往年のクルマ好きも納得の“現代版ホットハッチ”たるスペックを誇るのが、1トンを下回る車体に最高出力140psの1.4リッター 直噴ターボエンジンを搭載したスイフトスポーツだ。
基本性能の向上や軽量化を実現した新プラットフォームや新開発サスペンションの採用で、高い動力性能とハンドリング性能を発揮するスイフトスポーツ。トランスミッションもクロスレシオ化とショートストローク化でダイレクトなシフトフィールをもたらす6MTや、専用のチューニングを施した6ATもスポーティな走りをサポート。
安全装備も充実しており、スズキ初採用の車線逸脱抑制機能をはじめ、単眼カメラとレーザーレーダーで前方の歩行者やクルマを検知して衝突時の被害を軽減するデュアルセンサーブレーキサポートもオプションとして用意。それでいて、約200万円というロープライス設定はお買い得と言わざるを得ない。
N-ONE RSは往年のクルマ好きの物欲も刺激する唯一の軽ホットハッチ
2021年12月のフルモデルチェンジで9代目となったアルト。しかし、このフルモデルチェンジはアルトワークスの生産終了という悲報も同時にもたらした。これで軽ホットハッチと呼べるモデルはN-ONE RSのみに……。
先述のコペンと同様、最後の砦となったN-ONE RSは2017年2月に行われたマイナーチェンジの際に精悍かつスポーティなグレードとしてラインナップに追加。走りのポテンシャルを感じさせる流麗なフォルムに、アクセントとして赤を取り入れたインテリアで操る喜びを表現した一台には660cc DOHCターボとパドルシフト付CVTとの組み合わせが採用された。
2020年11月に行われたフルモデルチェンジでは、軽自動車のFFターボエンジン車として初の6MTモデルを設定。“心躍る楽しさを持つ、軽快快適ツアラー”をコンセプトとした、ショートストロークでありながらも軽さと心地良い重さを感じさせる独自のシフトフィールが鋭い加速と軽快な走りを両立。
加えて、操作のしやすさを追求したインパネシフトノブはS2000ベースの専用デザインという心憎い演出もなされており、そのホットな走りも含めてクルマ好きの物欲を刺激して止まない一台となっている。
MAZDA6は都会に映えるスタイリッシュな万能ステーションワゴンの決定版
2018年3月に開催されたジュネーブモーターショーでの世界初公開を経て、翌2019年8月に発売されたMAZDA6のステーションワゴン。
低重心でスタンスの良さが際立つエクステリアや上質さを磨き上げたインテリアでマツダデザインの世界観を表現する一方、走る歓びを実現するべく、メカニズムにも“クルマは単なる移動手段ではない”というこだわりが満載されている。
というのも、エンジンにはゆとりの走りをもたらす2.5リッターガソリンターボのSKYACTIV-G 2.5Tを最上位グレードに採用した他、ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを制御してスムーズな車両挙動を実現するG-ベクタリングコントロールプラスを全車に標準設定。
もちろんワゴンとしての機能性も高く、定員乗用時で506リッター、リアシートの背もたれをすべて倒せば最大1648リッターの容量も確保されている。
空前のアウトドアブームに沸く昨今にあって、減少の一途を辿っている国産のステーションワゴン。SUVやミニバンの購入を検討している人にとってはステーションワゴン、なかでも都会的で洗練されたMAZDA6は所有欲を満たしてくそうなイマドキの一台だと思うが、いかがだろうか?
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投稿 生産終了になる前に必ず乗っておけ! 今こそ狙いたい絶滅危惧種5選 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。