もっと詳しく

570ページの長編を4日ほどで読み終えた。物語は1963年11月9日、閑静な住宅街で起きた事件に始まる。戦後史に残る鉄道と炭鉱の大事故が重なった同じ日に、ある邸宅で夫婦が殺害された。犯人の男の視点でこのミステリー仕立ての小説は幕を開ける。描かれているのは主人公、黒沢百々子の半世紀にわたる波…