Intelの第13世代Core CPU「Raptor Lake」プロセッサは今年後半にリリースされると言われているが、発売前にテストが行われるのが通例で、その過程でベンチマーク結果が出回ることがままある。今回、RaptorLakeプロセッサを使用したベンチマーク結果が明らかになり、その性能の一端を垣間見ることが出来るが、これによると現行CPUよりも15%以上高速になるようだ。
UserBenchmark : Intel RPL-S ADP-S DDR5 UDIMM CRB Performance Results
Twitter : Raichu氏のツイート
第13世代Raptor LakeラインナップのフラッグシップであるIntelの次期Corei9-13900Kは、噂によるとGeekbench5ベンチマークで2300ポイント以上のスコアになるとの事だ。
ちなみに、比較のために掲載すると、Intel Core i9-12900K Alder Lake CPUのスコアは約2000ポイントだが、AMD Ryzen 9 5950X CPUのスコアは約1700ポイントである。これらのスコアと比較すると、Alder Lake CPUよりも最大15%パフォーマンスが向上し、Zen 3 CPUよりも35%向上することになる。
また、UserBenchmarkにも同様にRaptor Lakeが登場したらしい。「IntelのRaptorLake-S ‘U3E1’プロセッサ」は24コアを搭載し、2.4GHzベースクロックと4.6GHzターボクロックで実行しながら32スレッドを同時に処理している。Intelの次世代デスクトップチップは「8つのパフォーマンスコアと16個の高効率コア」を搭載していることが噂されていたが、これとスペックが一致しており、恐らくこれはRaptor Lakeのサンプルなのではないかと見られている。
システムにはIntelのArc AlchemistA770グラフィックカードも搭載されているようだが、この「カード」には1GBのメモリしかなく、パフォーマンスが非常に低いことを考えると、GPUが正しく検出されなかったようだ。
比較対象として、Intelの現在の主力製品であるCorei9-12900Kは3.2GHz〜5GHzで動作する16コア/24スレッドチップとなり、AMDのRyzen 9 5950Xは3.4GHz〜4.6GHzで動作する16コア/32スレッドチップとなる。Raptor Lake-Sサンプルがかなり低いクロックで動作するという事実を考えると、8スレッド以下を使用するワークロードでは性能を生かし切れなかったのだろう。ここでは両現行機に負けている。一方、64スレッドを使用するサーバーワークロードでは、Corei9-12900KおよびRyzen9 5950Xよりも約20%高速となった。
これを見ると、Raptor Lakeは、AMDの16個の高性能現行CPU「Zen3」コアよりも効率的であるように見える。もちろん、Raptor Lakeが最大16コアのAMDのZen4ベースの「Raphael」製品に対してどのように機能するかはまだ不明だ。そして、恐らく多くの方はそこに興味があるだろう。
Ryzen 7000デスクトップCPUは、シングルスレッド性能が15%以上向上すると予想されており、向上幅は16~19%になるとも言われている。この結果から、シングルスレッド・スコアは約1800~1900ポイントとなる。これによって、Raptor Lakeは同じベンチマークで最大20%速くなる可能性があることが分かる。AMDはパフォーマンス(シングルスレッド)の数字を保守的にしていると言っているので、15%程度に終わる可能性もあるが、それでもRaptor LakeがZen 4に対して若干優勢になる可能性がありそうだ。