| 名称だけ見ると「おふざけ」のように思えるが、実はマツダらしいコンセプトカーだった |
「魂動デザイン」のコンセプトをある意味では忠実に再現しているといえよう
さて、攻殻機動隊(ゴースト・イン・ザ・シェル)をイメージしたマツダのコンセプトカー、その名も「魂動イン・ザ・シェル」が登場。
もちろんマツダ公式ではなくデザイナー個人による作品となりますが、魂動デザインとはマツダが2010年から取り入れているデザイン言語であり、明確にどのラインをどうという取り決めがあるわけではなく、デザインが人に与えるイメージのようなものを意識したものだと認識しています。
マツダの魂動デザインとは?
そこで魂動デザインについておさらいしてみたいと思いますが、マツダの公式ページによれば、「魂動」は英語にすると「Soul of Motion」となり、クルマに命を与えること、生命感あふれるクルマをデザインすることをイメージしています。
そしてそのための手法については常に「深化」させてゆくとも述べており、その根底にあるのは日本の美意識をベースにしたエレガンス。
そしてここでマツダのいう日本的なエレガンスとは「控えめでありながら豊かな美しさを持つ「凛としたなかにもゆとりや艶がある」と表現し、これみよがしに主張するものではなく繊細なバランスの上になりたち、引き算による美学や、要素を削ぎ落としたシンプルさ、繊細な光の表現によってクルマに命を吹き込む、とも。
ちなみにマツダは「日本古来の技法を用いた」CX-60のインテリアを「魂動デザインの集大成」だと表現しており、たしかにこれはマツダの定義する魂動デザインの要件にぴったりマッチしているのかもしれません。
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魂動イン・ザ・シェルはこんなクルマ
そこで今回公開されたマツダ「魂動イン・ザ・シェル」について、一見すると現行のマツダ車とは関係性や共通性がないように見え、しかしこの「ほんのり」赤い部分は日本の芸者の化粧、ホイールや車体上部の放射線状のデザインは蛇の目傘をイメージしているのだそう。
そう考えると、この魂動イン・ザ・シェルはマツダの提唱する魂動デザインの定義に沿っているようにも思われ、「日本的な要素」「控えめな中の豊かさ」「引き算による美学」といったところが体現されているようにも思えます。
ちなみにこのボディサイドの「うねった」形状はMAZDA3やCX-30に用いられているデザインに良く似ていて(ヴィジョン・クーペにも採用されている)、マツダによると、この「うねり」は地面や空を反射するようにデザインされているのだそう。
そして横から見ると「斜め」のラインを描きつつうねっているので、クルマを見る角度によってその「映し出す景色」が変わって見え、これが他のクルマにはない「表情」を作り出していると思います。※残念ながら、直近のマツダ車ではこの手法が用いられなくなった
ただ、この魂動イン・ザ・シェルではその手法が再現されており、ここはぼく的に高い評価を与えたいところでもありますね。
リアビューは非常にシンプルですがダイナミック。
こちらが「蛇の目傘」をイメージしたリアセクション。
魂動イン・ザ・シェルという名前だけを見ると「ちょっと」という印象があるものの、細かいところを見てゆくと、意外に「マツダらしい」クルマなのかもしれません。
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