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 医療用抗原検査キットを一般用医薬品(OTC)化すれば、新型コロナウイルス感染症の拡大時の製品供給安定性の担保につながる-。このようなヒアリング結果を政府の規制改革推進会議の事務局を担う内閣府規制改革推進室がまとめた。薬局で気軽に購入できるようにすることで、販売数が増え、生産も安定。一定量を常に供給できる体制が整うとして、OTC化のメリットを訴えた。

 今月半ばから下旬にかけ、規制改革推進室が国内で抗原定性検査キットを手がける大手メーカー2社に対して聞き取りを行った。主な項目は、▽検査キット不足とOTC化との関係▽OTC化に向けた技術的課題▽検査へのアクセス状況-など。同会議と厚生労働省の間でOTC化への議論を交わすなか、課題整理の一環として調べた。

 いわゆる“第6波”が到来し、検査キットが不足した年明けの状況に関しては、OTC化により一定の対応ができた可能性を指摘した。OTC化すれば取り扱う店舗が大幅に増えることから、「感染拡大時の供給の安定性に貢献可能」との見方だ。薬局で簡単に買えるようにすることで企業などでの利用も進み、一定需要が見込めるようになり、平準化した供給ができると説明した。

 第6波の際には国からの要請を受け、人を大幅に投入し、ほぼすべてのメーカーが増産を敷き、供給不足に対応した、だが、感染が収まったタイミングで需要が急減し、「工場の派遣社員をいったん契約解除」した事例もあった。OTC化で、需要と供給がバランスし、設備投資や人員確保などの事業予見性が高まると主張。また、OTC化を通じ、店舗や卸の流通在庫も増え、需要急拡大時のバッファーにもなり得るともした。

 一方、OTC化をするうえでは、技術的な課題が存在するとの意見も出た。例えば、薬事承認を受けたキットでも製品間で感度に差があるため、「解決が必要」。妊娠検査薬などでは標準品があり、各社はそこに合わせようとしているものの、新型コロナウイルスの場合、株などによって感度が異なる。そのため、標準株と感度を公的機関が設定し、「これにメーカーが合わせるなどの対応が必要ではないか」としている。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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