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 理化学研究所(理研)、東京大学、京都大学、東京医科歯科大学、自治医科大学の研究グループは新型コロナウイルス由来のウイルスRNAを1分子レベルで識別、迅速に高感度で感染を判定する全自動感染症診断装置「opn-SATORI」を開発した。検出感度は1・4コピー/マイクロリットルと現行のPCR検査法と同等で、陽陰性判定や変異株判定の正解率は98%以上。また、サンプル調整から検査までに要する時間は9分以内、1検査当たりにかかるコストはPCR検査や抗原検査と同様の2ドル程度ですむ。すでにシスメックスと実用化に向けた共同研究に着手しており、早ければ年度内の発売を見込む。

 理研の渡邉力也主任研究員、篠田肇研究員、東京大の西増弘志教授、濡木理教授、京都大の野田岳志教授、東京医科歯科大の武内寛明准教授、自治医科大の崔龍洙教授らは昨年、世界最速の新型コロナウイルス検出法「SATORI法」を開発。同法をベースに自動化、高感度化、1塩基単位の変異も判読可能な変異株識別技術の構築、消耗品・試薬の低コスト化を図った。

 実用化はシスメックスと行う。研究向け装置を先行して投入する可能性も視野に入れるほか、臨床現場で使いやすい装置の小型化などにも取り組む。また、新型コロナだけでなく、インフルエンザなど多様なウイルス検出や疾病バイオマーカーの検出などにも活用できるという。今後、感染症だけでなく、血液や尿といった身体への負担が少ない液性検体を解析する基盤となるリキッドバイオプシーとなることが期待される。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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