IntelではZen4アーキテクチャーを内蔵するRyzen 7000シリーズと共に新しいソケットAM5対応600シリーズチップセットを発表しましたが、あまり公開されていなかったCPUやチップセットのPCIeレーン数やUSBポート数などが明らかになりました。
Ryzen 7000シリーズと600シリーズチップセット
AMD Zen 4 & Socket AM5 Explained: PCIe Lanes, Chipsets, Connectivity – TechPowerUP
AMDではCOMPUTEX 2022にてZen4アーキテクチャーとこのアーキテクチャーを搭載するデスクトップ向けのRyzen 7000シリーズCPU、そして600シリーズチップセットを発表しました。
この発表時にはRyzen 7000シリーズとこれらに対応する600シリーズチップセットの大まかな概要については明らかにされていましたが、今回TechPowerUPがRyzen 7000シリーズCPUそして、600シリーズチップセットの各PCIeレーン数などインターフェイスに関する詳細が明らかになりました。
CPUから伸びるPCIeはすべてPCIe Gen 5.0
まず、CPUから出力されているPCIeレーンについては、すべてPCIe Gen 5.0に対応しており拡張スロット用には24レーン、チップセット用に4レーンで合計28レーン存在するとのことです。
この内、拡張スロット用には16レーンはGPUスロット用のPCIeスロットとなり、最低でも4スロットはNVMe スロット用にレーン数を割り当てる必要があるとのことです。残りの4スロットについてはマザーボードメーカーに使い方が委ねられており、更に追加でNVMeスロットを設ける事やThunderbolt 4やUSB 4.0用に割り当てる事も可能になっています。
チップセット通信用に存在する4レーンも拡張スロットと同じくPCIe Gen 5.0接続に対応していますが、こちらについては、現行の600シリーズチップセットではPCIe Gen 5.0接続に対応していないことからPCIe Gen 4.0での動作に引き下げられるとのことです。
なお、CPUから出力されているのは28レーンのPCIe Gen 5.0以外にも今回はデスクトップ向けCPUとして始めて標準で内蔵GPUを搭載していることから、4つのディスプレイ用出力が用意される見込みで、最大4画面出力まで対応していると見られています。
他に、USB 2.0が1ポート、USB 3.2 Gen 2(10 Gbps)が4ポートがCPU側から出力されており、USB 3.2 Gen 2についてはDP Alt Modeにも対応しているためUSB Type-Cケーブル一本で画面出力を行う事も可能になっているようです。
チップセット側はPCIe Gen 4.0まで対応。B650では12レーン、X670/X670Eでは24レーン。
AMDの600シリーズチップセットではPromontory 21と呼ばれるチップセットを搭載し、普及モデルのB650では1基、ハイエンドモデルのX670およびX670Eでは2基搭載し、より高い拡張性を確保しています。
このPromontory 21と呼ばれるチップセットでは1基辺りPCIeを16レーン持っており、4レーン分はCPUとの通信用に確保がされています。このCPUとの通信についてはCPU側はPCIe Gen 5.0に対応していますが、Promontory 21自体がPCIe Gen 4.0まで対応ということでCPUとの通信はPCIe Gen 4.0で行われます。
残りの12レーンの内訳としては8レーン分(4レーンx2)がPCIeスロットやNVMeスロットに割り当てられており、PCIe Gen 4.0に対応、4レーン分がPCIe Gen 3.0まで対応となっており、マザーボードメーカーはこの中から任意でPCIeスロットやNVMe用スロットおよびSerial ATAの搭載が選べるようです。
他の拡張インターフェイス関係では、USB 3.2 Gen 2(10 Gbps)とUSB 2.0がそれぞれ最大6ポートまで用意できるようになっているようです。また、USB 3.2 Gen 2(10 Gbps)を4ポートに減らし、1ポートを20 Gbps動作とすることも可能なようです。
なお、X670やX670EのようにPromontory 21を2基搭載するマザーボードについては、拡張スロットの数やUSBポート数が倍増し、ユーザーが自由に使えるPCIe Gen 4.0は最大24レーン、PCIe Gen 3.0は8レーン、USB 3.2とUSB 2.0はそれぞれ12ポートになります。
Alder Lake-S(Intel Z690)との比較
Intelの600シリーズチップセット、最上位モデルとなるZ690においてはマザーボード側からはPCIe Gen 4.0が最大12レーン、PCIe Gen 3.0が16レーンの合計28レーンがあり、AMDのX670/X670Eの合計24レーンよりはレーン数が多くなっています。ただ、Z690ではPCIe Gen 4.0が最大12レーンのところ、X670/X670Eでは最大16レーンということでNVMe SSDなどPCIe Gen 4.0対応機器を多く持つユーザーにとってはX670/X670Eのほうが魅力的な選択肢になると見られています。
USB 3.2 Gen 2(10 Gbps)の拡張性についてはZ690では最大10ポートでAMDのB650の場合はCPUとの合計で10ポートで同等、X670/X670Eでは最大16ポートとなっておりZ690より多くのUSB 3.2機器の接続が可能となっています。
AMDのRyzen 7000シリーズから出ているPCIeについてはすべてPCIe Gen 5.0ということですが、残念なことにチップセット側はPCIe Gen 4.0まで対応ということになっています。ただ、拡張性についてはX670/X670EについてはCPU側からのPCIeやPCIe Gen 3.0を合わせると合計48レーンとなり、Threadripper対応のTRX40マザーボードに近い数字になっています。
一般のユーザーにしてみるとあまりにもX670/X670Eはオーバースペック気味で、B650でも十分すぎる拡張性を持っていますが、噂ではB650は16レーン対応のPCIe Gen 5.0スロットは搭載されないと見られているため、実際に買う際にはかなり迷うことになりそうですね。
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