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2022年に入り始めてからGPUの販売価格は下がり始め、入手性についても大幅に改善している状態となっていますが、Intelの参入やAMDやNVIDIAの最新アーキテクチャーを採用したモデルの投入などが行われると見られています。そんなGPUについて2022年5月時点で1年以内(2022年~2023年初旬)に登場すると見られている製品について情報をまとめました。

2022年~2023年初旬に登場予定のGPU各モデルについて紹介

前回は2021年12月にまとめたGPUの情報について、今回は2022年5月時点の最新情報に更新します。

2021年12月版 | 2022年 Intel/AMD/NVIDIAのGPU発売予定と詳細

ソースは主にリークや定評のあるTwitterユーザーなどあくまで『噂』レベルです。ですので、実際に登場した際にはスペックや価格が大きく異なる場合がありますので参考レベルにご覧ください。

Intel製 GPU

Arc Alchemist(旧名称DG2)

Arc AlchemistはIntelが開発中のGPUで既にCPU内蔵グラフィックス向けに展開されている『Xe-LP』に対してゲーミングPC向けのディスクリートGPUをターゲットにしたモデルとなります。

このArc Alchemistでは2つのGPUダイが登場する見込みで、パフォーマンス重視で最大512基のGPUコアであるExecution Unit(EU)を搭載する『ACM-G10』とエントリー向けGPUを対象にし、128基のEUを搭載する『ACM-G11』が登場する見込みとなっています。

発売時期については、2021年12月頃までは2022年3月までにドライバーが完成し、4月にハイエンドモデルから発売が予定と言われていましたが、2022年5月時点ではまだ発売はされておらず、6月から7月頃に実際に発売が行われると見られています。

価格については最上位モデルでも$499とNVIDIAやAMDに対して高い競争力を持つ価格が提示される予定と2021年6月時点ではリークされていましたが、2022年5月時点では価格に関しての情報はまだ出ていません。

Arc Alchemist A770/A780 (512EU 最上位モデル)

製品のレンジ アッパーミドル
発売時期 2022年6月までに登場予定(22年Q2まで)
価格 $499を下回る?(2021年6月時点の情報から更新無し)

Arc Alchemistの最上位モデルの名称についてはAIB向けに発売がされるモデルはA770と命名される見込みで、動作クロックなどを引き上げたモデルについてはA780と名付けられる可能性があるようですが、22年5月時点では不明です。

このArc Alchemist A770/A780ではACM-G10 GPUが採用され、512基のEUが搭載しています。VRAMについてはGDDR6を16GB搭載し、バス幅は256-bitとなっています。

TDPについては225W以下を目指しており、性能面ではゲーミングにおいてはNVIDIAのGeForce RTX 3070からRTX 3070 Tiと同等レベルの性能を実現すると見られていますが、少なくともOpenCLなどの性能についてはGeForce RTX 2070程度の性能になると見られています。

Intel GPU Arc Alchemist A770のベンチマーク出現。動作クロックは2.4 GHzに

Intel Arc Alchemistは4月以降発売に延期。エントリーモデルは低価格になる模様

Arc Alchemist A550? (384EU ミドルレンジモデル)

製品のレンジ ミドルレンジ
発売時期 2022年6月までに登場予定(22年Q2まで)
価格 不明(RTX 3060 Tiより廉価になる模様)

Arc Alchemist A550についてはACM-G10 GPUを搭載するものの、EUについては384基のみ有効化されたGPUが搭載される見込みです。VRAM周りでは16/14 GbpsのGDDR6をサポートし、帯域幅は192-bit、VRAM容量は12GBとなります。TDPは150-200WとなりGeForce RTX 3060またはRTX 3060 Tiと同等レベルの性能の実現をターゲットにしているとの事です。

なお価格については不明なものの、NVIDIAやAMDのGPUより競争力が高い価格を提示すると言われているため、RTX 3060 Tiよりは安く販売されると予想されています。

Arc Alchemist A380? (128EU エントリーモデル)

製品のレンジ エントリーモデル
発売時期 2022年6月までに登場予定(22年Q2まで)
価格 不明

エントリー向けGPUとなるArc Alchemist A380にはACM-G11 GPUと呼ばれるエントリー向けGPUダイが採用されると見られています。

VRAMは16/14GbpsのGDDR6がサポートされ、帯域幅は96-bit、容量は最大6GBになる見込みです。TDPについては外部の電源コネクター非搭載であることを目指しており、75W以内に収まる予定となっています。なお、価格については不明です。

 

なお、Arc Alchemistについては、モバイル向けディスクリートGPUとしては既に登場しており、Arc Alchemist A770MとA730M、A550M、A370M、A350Mの合計5モデルが登場予定となっていますが、現時点で日本やアメリカなどで公式に発表がされているモデルはありません。

NVIDIA製 GPU

RTX 4000シリーズ(製品コードネーム:Ada Lovelace)

2022年下半期中にNVIDIAは次期GeForce RTXシリーズとなるGeForce RTX 4000シリーズの発売を予定しています。

このGeForce RTX 4000シリーズではTSMC 5nmまたは4nmが採用される見込みとなっており性能面ではRTX 4090はRTX 3090の倍近い性能になると見られており性能向上率はかつてのGTX 900シリーズ(Maxwell)からGTX 1000シリーズ(Pascal)に代わった時と同じぐらいになると見られています。

なお、GPUアーキテクチャー自体はデータセンター向けで採用予定のGPUアーキテクチャー、Hopperと異なりMCM構造とはならず、通常のモノリシックダイ構造となるようです。

GPU AD102 GPU AD103 GPU AD104 GPU AD106 GPU AD107 GPU
対応商品 ハイエンド アッパーミドルレンジ ミドルレンジ エントリー エントリー(モバイル)
ラインアップ

RTX 4090 / RTX 4080

RTX 4070 / RTX 4060 Ti RTX 4060 RTX 4050 RTX 4050 or モバイル向け
CUDAコア数(最大)

18432基

10752基 7680基 4608基 3072基
CUDAコア数(Ampere世代)

10752基

7680基 6144基 3840基 2560基

未登場|GeForce RTX 4090

製品のレンジ ハイエンドモデル
発売時期 2022年中
価格 不明

GeForce RTX 4090ではAD102 GPUが採用される予定で、Streaming Multiprocessors(SM)が144基搭載されると見られており、1基のSM辺り128基のCUDAコアが搭載されていると計算すると合計18432基のCUDAコアを搭載するとの事です。これは現行のGA102 GPUではSMが84基(CUDAコアが10,752基)搭載されている事から1.7倍になっています。ただ、CUDAコアの構造については刷新される可能性があるため、実際には更にCUDAコアの数が増えている可能性もあります。

このGeForce RTX 4090については消費電力がリファレンスモデルで600W、オーバークロックが行われているAIBモデルについては700W程度になると見られており電源ケーブルについては最大600Wまで供給が可能な16pin 12VHPWRが採用されると見られています。

メモリー関係ではAD102 GPUでは最大384-bitのバス幅となっておりRTX 3090から据え置きにはなっていますが、GPU内蔵のL2キャッシュが6MBから96MBに大容量化が行われており、4Kや8Kなど高い負荷が掛かるグラフィックスを描写する際に、バス幅や帯域幅がボトルネックにならないような設計になっています。

未登場|GeForce RTX 4080

製品のレンジ ハイエンドモデル
発売時期 2022年中
価格 不明

GeForce RTX 4080にはAD103 GPUが搭載されると見られており、SMは最大で84基、CUDAコアは10752基搭載されると見られています。

このGA103 GPUに関してはバス幅は256-bitに抑えられていますが、AD102 GPUと同じくL2キャッシュが大きく増加しており、4MBから64MBに増やされているためバス幅以上の性能が発揮できると見られています。

未登場|GeForce RTX 4070

製品のレンジ アッパーミドルレンジモデル
発売時期 2022年~2023年初旬
価格 不明

GeForce RTX 4070にはAD103 GPUの下位SKU又はAD104 GPUが搭載されると見られており、AD104 GPUであればSMが48基でCUDAコアは6144基搭載となる見込みです。また、AD104 GPUではバス幅は192-bitと若干低いバス幅となっていますが、こちらもL2キャッシュが4MBから48MBに増やされているためバス幅が起因となるパフォーマンス低下は無いと見られています。

未登場|GeForce RTX 4060

製品のレンジ ミドルレンジモデル
発売時期 2023年初旬
価格 不明

GeForce RTX 4060にはAD104 GPUが搭載されると見られていますが、具体的にRTX 4060固有の情報は2022年5月時点では出現していません。

未登場|GeForce RTX 4050

製品のレンジ エントリーモデル
発売時期 2023年上半期
価格 不明

GeForce RTX 4050に関する情報は現時点では出現していませんが、GPUとしてはAD106またはAD107 GPUが搭載される見込みで、発売時期としてはRTX 4000シリーズの中では最後に登場すると見られています。

GeForce RTX 3000シリーズの在庫・価格状況

GeForce RTX 3000シリーズは2021年頃は定価に対して最大3倍、平均して2倍程度の価格で販売が行われていましたが、2022年に入り始めてから定価に近づくなど販売価格は日本含め世界的に下落している状態になっています。この原因としては、GPUの供給状況の改善もありますが、Ethereumのマイニングが不可能となるETH 2.0への移行が近いことや、マイニング収益の低下、電気代などエネルギー価格の高騰によりマイニングの人気が下がってきたことが起因となっているようです。

また、販売サイドとしても半年以内に次世代製品であるRTX 4000シリーズやRadeon RX 7000シリーズの発売が控えている事から在庫を早い内に処分したいという思惑もあると見られており、今後も販売価格が下がる傾向にある事は間違いが無いようです。

ギャズログ | Gaz:Log

2022年に入り始めてから下落の一途を辿っているGPUの販売価格ですが3DCenterがまとめる欧州での販売価格情報の4…

RTX 3000シリーズの在庫確認用リンク

RTX 3060 RTX 3060 Ti RTX 3070 RTX 3070 Ti RTX 3080 RTX 3080 Ti RTX 3090
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AMD製 GPU

AMDでは2022年下半期中にRadeon RX 7000シリーズを発売予定としています。このRadeon RX 7000シリーズではRDNA3アーキテクチャーが採用される予定で、一部のGPUではコンシューマー向けGPUとしては初めて複数のGPUダイを組み合わせるMCMが採用されるほか、I/OダイにはRyzen 7 5800X3Dのような3Dスタッキング技術などAMDが持つ最新技術が惜しみなく投入される見込みになっています。

GPU Navi31 GPU Navi32 GPU Navi 33 GPU Navi 22S GPU (RDNA2)

Navi 23S GPU(RDNA2)

対応商品 ハイエンド アッパーミドル ミドルレンジ エントリー エントリー
GPU構造

MCM(GCDx2+MCD)

MCM(GCDx2+MCD) モノリシックダイ モノリシックダイ モノリシックダイ
ラインアップ

Radeon RX 7900 XT / Radeon RX 7800 XT

Radeon RX 7700 XT Radeon RX 7600 XT Radeon RX 7500 XT Radeon RX 7400?
WGP(CU換算)

30基x2=60基(120×2=240基)

20基x2=40基(80×2=160基) 7680基 10基(40基) 8基(32基)
Stream Processors

7680×2=15360基

5120×2=10240基 4096基 2560基 2048基

未登場|Radeon RX 7900 XT

製品のレンジ ハイエンドモデル
発売時期 2022年中
価格 不明

Radeon RX 7900 XTにはNavi 31 GPUが搭載されると見られています。このNavi 31 GPUにはGPUダイであるGraphics Core Die(GCD)2基の他、Multi Cache Die(MCD)が7基搭載されると見られており、その内の1基はI/Oダイとしての役割も持つと見られています。また、3Dスタッキング技術を用いて機械学習用アクセサレーターや512MBのInfinity Cacheも搭載されると見られています。

仕様面ではGCD1基あたり7680基のStream Processors(SP)が搭載されており、これらが2基で合計15360基のSPが搭載されています。VRAMには21GbpsのGDDR6が最大32GB搭載されると見られています。またバス幅については256-bitと競合するRTX 4090の384-bitと比べると控えめな仕様となっていますが、この点は512MBのInfinity Cacheを活かす事でバス幅が少なくても4Kや8Kなど高い負荷が要求されるゲームに対応するようです。

Radeon RX 7900 XTについては発売時期は2022年末頃に予定されています。

未登場|Radeon RX 7800 XT / RX 7800

製品のレンジ ハイエンドモデル
発売時期 2023年初旬
価格 不明

Radeon RX 7800 XTまたはRX 7800にはNavi 32 GPUが搭載されると見られています。このNavi 32 GPUはNavi 31 GPUと同じくMCMが採用されますが、3Dスタッキング技術は採用されない見込みです。GPUの仕様としてはGCD1基辺り5120基のSPを搭載しており、GPU合計では10240基のSPが搭載されると見られています。Infinity Cacheについては具体的な情報は出ていませんが、512MBより減る事は確実と見られています。

このRadeon RX 7800 XTまたはRX 7800については2023年初旬頃の登場が見込まれています。

未登場|Radeon RX 7600 XT / RX 7600

製品のレンジ アッパーミドルレンジモデル
発売時期 2022年9月~10月頃
価格 不明

Radeon RX 7600 XTまたはRX 7600ではNavi 33 GPUが採用される見込みで、現行のRX 6600 XTより性能が大きく上がる事からアッパーミドルレンジモデルになると見られています。

Navi 33 GPUは他のNavi 31や32 GPUとは異なりMCMは採用されず、モノリシックダイになると見られています。SPについては4096基となっており、VRAMバス幅については128-bitと大きく絞られる仕様となっていますが、1080pから1440p程度の解像度であれば、Infinity CacheやRDNA3アーキテクチャーによる改善代でRadeon RX 6800 XTかRX 6900 XTと同等が超えるぐらいの性能が発揮できると見られています。一方で、4K解像度になるとバス幅が足を引っ張るため、RX 6800 XTにも満たない性能になると見られています。

このRadeon RX 7600 XTまたはRX 7600はRadeon RX 7000シリーズとして1番目に登場するモデルになると見られており、2022年9月から10月を目途の発表、発売が有力視されています。

未登場|Radeon RX 7500 XTなどミドルからエントリーモデル

Radeon RX 7000シリーズの中でNavi 3x系GPUが採用されないモデルについてはRDNA2改となるNavi 22SとNavi 23S GPUが搭載されると見られており、主にミドルレンジからエントリー向けモデルでこのような対応が取られると見られています。

このRDNA2改ではアーキテクチャー面では大きく変わらないものの、TSMC 7nmから6nmにプロセス微細化が行われているため、より省電力化と動作クロックの向上などが見込まれています。

Radeon RX 6000シリーズの在庫状況

AMD製グラフィックスカードについては、マイニング性能がNVIDIAのGeForceに対して劣っていたため、マイニング目的で購入するという状況は起きていませんでしたが、それでも販売価格は定価に対して2倍程度で2021年は推移していました。しかし、AMD製GPUも2023年に入り始めてから顕著に販売価格の値下げが行われており、2022年5月時点ではRadeon RX 6700 XTでも10万円を切るモデルが販売され始めるなど手ごろな価格での入手がしやすくなっています。

Radeon RX 6000シリーズの在庫確認用リンク

RX 6400 RX 6500 XT RX 6600 RX 6600 XT RX 6700 XT RX 6800 RX 6800 XT RX 6900 XT
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以上が2022年5月時点で判明している2022年中と2023年初旬に登場予定のGPUについてです。2021年12月時点よりもGeForce RTX 4000シリーズやRadeon RX 7000シリーズ関連の情報は増えてきており、2022年9月頃にはNVIDIAまたはAMDから次世代グラフィックスカードの発売が行われそうです。

また、GPUの販売価格については2021年時点より大きく低下しており、RTX 4000シリーズやRadeon RX 7000シリーズなど最新鋭のGPUが不要であれば、最近ではかなり安い価格で購入する事が出来るのでグラフィックスカードの買い替えを考えている方は検討して見ても良いかもしれません。

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