日本赤軍の重信房子元最高幹部が懲役20年の刑期を満了し、刑務所を出た際に支持者らが出迎えた様子が報じられたことに、ギラッド・コーヘン駐日イスラエル大使は5月31日、ツイッターで「温かく迎えられる姿を見て愕然としました」と日本語で苦言、ネット上の注目を集めている。
コーヘン大使はこの日午後、ツイッターで一気に5連続で投稿。「1972年にロッド空港で発生した乱射事件から50年を記念する集会に参加した岡本公三容疑者、および先週末出所した重信房子元最高幹部が温かく迎えられる姿を見て愕然としました」と切り出し、
1/ 1972年にロッド空港で発生した乱射事件から50年を記念する集会に参加した岡本公三容疑者、および先週末出所した重信房子元最高幹部が温かく迎えられる姿を見て愕然としました。>>>
— Gilad Cohen 🇮🇱 (@GiladCohen_) May 31, 2022
折りしも、重信元最高幹部の出所した5月30日は、ちょうど50年前、日本赤軍が引き起こしたテルアビブ空港乱射事件の期日。大使は、事件の凄惨な被害画像を示しながら、「イスラエルの歴史上最も恐ろしいテロ攻撃の一つ、ロッド空港乱射事件から50年が過ぎました。 理性ある人なら、26人の罪のない民間人の殺害に関与した人々への支援を表明し、祝福することはできないはずです。そしてそれは、事件から50年が経過した現在でも同様です」と、重信元最高幹部の支援者など歓迎する日本の一部の人たちを批判。
さらに大使は、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)が同日、レバノン・ベイルートで主催した記念集会に、事件の実行犯の1人である元日本赤軍の岡本公三容疑者が久々に公の場に姿を表したことにも言及。
「記念集会は、パレスチナのテロ組織のメンバーであり、罪なき命を奪った4人の日本人を記念して開催されました」と指摘した上で、「もしもどういった道徳的価値観を重視すべきか迷うときには、どちらの側が平和を重んじて命を救う行為を敬い、どちらの側が戦争と暴力、そして命を奪う行為を敬うのかを思い出してください」と呼びかけた。
対しの一連の投稿での言葉遣いは丁重なものの批判含みは明らかで、テロ被害の当事国として日本社会に警鐘を鳴らしたといえそうだ。