フランスのラグジュアリーブランド「DS」のニューフェイス「DS4」が4月28日、日本上陸を果たした。日本の道路事情やニーズにも適したCセグメントモデルだが、アヴァンギャルドなスタイルと都市型クロスオーバーのキャラクターが、強い印象を残す個性派モデルである。
今年のフランス・パリの国際自動車フェスティバルで、最も美しいクルマに選ばれたという新クロスオーバーの特徴と魅力を解説しよう。
文/大音安弘、写真/ステランティスジャパン
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■個性派クロスオーバーDS4が復活へ!
ステランティス ジャパンは2022年4月28日、フランスのラグジュアリーブランド「DS」のCセグメントハッチバック「DS4」を発表し、同日より販売を開始した。全車右ハンドル仕様となり、価格は、398万~572万円となる。
DS4は、シトロエンDS時代に投入されたことのあるCセグメントハッチバックで、2011年に初代がデビュー。流麗なフォルムを備えながら、全高を高めたクロスオーバーとしてデザインされていた。そのDS4が、新世代モデルとして復活を果たしたのである。
新世代DSの第4弾モデルとなる「DS4」は、初代同様にスタイリッシュなデザインと最低地上高を少し増したクロスオーバー風デザインとなっているが、これはオンロードを前提としたもの。ただ、ドライバーのアイポイントを高くすることができ、より視認性を高められるのも強みのひとつだ。
■世界一美しいと称賛されたスタイル
DS4の魅力のひとつが、その流麗かつ個性的なスタイリングだ。2022年1月にフランス・パリで開催された「第37回国際自動車フェスティバル」では、「Most Beautiful Car of the Year 」を受賞。世界一美しいクルマとして称賛された。
DSモデルの特徴である立体的なフロントグリルの左右には、宝石のような輝くを放つLEDヘッドライトと稲妻型のフルLEDデイタイムランニングライトが、見る者を惹きつける。
大径タイヤと少しゆとりを増した最低地上高が、使い勝手のいいCセグメントハッチバックながら、ボリュームや力強さを感じさせるので、存在感もバッチリ。
リアスタイルでは、レーザーエンボス加工による立体的なダイヤモンドデザインのテールランプが、とても印象的だ。この煌びやかなテールランプには、片側で80個ものLEDライトが使われているという。
ボディサイズは、全長4415×全幅1830×全高1495mmとなっており、全高は初代よりもグッと抑えられており、それがシャープなスタイルを実現する隠し味ともなっている。このため、初代同様に日本の機械式駐車場にも対応可能だ。
■お洒落で機能的なコックピット
メーターやインフォメーションシステムを包み込むようにデザインされたコックピットは、実にアヴァンギャルド。操作に必要なスイッチ類も、DSの世界観を構築するアートの一部として組み込まれて、細部までエレガントさを追求している。
そのなかには、新たな先進機能も含まれる。それが「DSスマートタッチ」だ。センターコンソールに配置された5インチのタッチパネルで、上部にあるタッチスクリーンの操作を可能としたもの。
ショートカットキー設定も行えるため、ユーザーが機能をカスタマイズすることもできる優れものだ。エアコンも吹き出し口を最小化し、送風機能を改良することで機能性を備わず、美しいコックピットの構築に貢献している。
シートは、レザーもしくはファブリック&テップレザーのコンビといずれも上質な手触りと座り心地のものを装備。おもてなし機能のひとつとして、FOCALプレミアムサウンドシステムも最上位グレード「RIVOLI」では選択可能だ。
■パワートレーンは3タイプ
パワートレーンは、ガソリン、クリーンディーゼル、PHEV「E-TENSE(イーテンス)」の3タイプを設定。ガソリン車は、1.2L直列3気筒DOHCターボエンジン搭載し、130ps/230Nmを発揮する。燃費消費率は、17.7km/L(WLTCモード)と優秀だ。
クリーンディーゼルモデルは、1.5L直列4気筒DOHCターボで、最高出力は130psとガソリン車と同等だが、より低い回転数で発揮される。さらに最大トルクの300Nmの発生改定数は、1750rpmと日常的に活用される低い回転域なので、いつでも力強い加速を味わうことができるのも魅力。燃費消費率は、ロングドライブ派にも嬉しい21.2km/L(WLTC)と経済的だ。
唯一の電動パワートレーンとなるPHEVは、1.6L直列4気筒DOHCターボエンジンと高出力モーターを組み合わせたもの。エンジン単体でも、最高出力180ps、最大トルク250Nmを発揮するが、電気モーターも最高出力110ps、最大トルク320Nmと高性能。システム全体では、最高出力225ps、最大トルク360Nmにまで引き上げられる。
駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は12.4kWhを確保しており、EV走行可能距離は、56km(WLTCモード)を確保しており、日常の移動ならば、電気だけで賄うこともできる。
充電機能は、200V普通充電のみとなり、3kW出力で約4時間。ウォールボックスタイプの6kW出力のものならば、約2時間とスマートだ。また、ハイブリッドの場合の燃費消費率も、16.2km/Lと、性能を高めながらも、ガソリン車に近い燃費を実現している。
トランスミッションは、全車共通で8速ATが組み合わされ、駆動方式も全車前輪駆動車(FF)のみとなる。
■グレードは最上級仕様がメイン
グレード構成は、エントリーの「TROCADERO」と最上位の「RIVOLI」の2タイプのみ。「TROCADERO」はガソリン車のみとなるが、受注生産グレードとなるので、現実的には、DSの豪華さが凝縮された「RIVOLI」のモノグレードに近い。
RIVOLIの主な装備を紹介すると、レザーシート、コネクテッドナビゲーションシステム、DSアダクティブスキャンサスペンション、DSスマートタッチ、19インチアロイホイール、アンビエントライトなどさまざまな装備を標準化。もちろん、先進の安全運転支援機能も充実している。さらにPHEV「E-TENSE」では、スライディングガラスルーフも加わる。
さらに、導入を記念する特別仕様車「LA PREMIERE(ラ プルミエール)」も50台限定で設定。RIVOLIの装備内容に加え、クリオブラウンのナッパレザーシート、スライディングガラスルーフ、DSナイトビジョン、20インチアロイホイール(E-TESE専用)などが追加されている。
フロントガラスの赤外線カメラで歩行者と動物を検知する「DSナイトビジョン」とE-TENSEを除き、装備できない「スライディングガラスルーフ」は、現時点では、特別仕様車のみのアイテム。
さらに、インテリアのレザーもより上位のナッパレザーとなる点も見過ごせない。パワートレーンは、ガソリン、クリーンディーゼル、PHEV「E-TENSE」の3つから選択可能。価格は、514万~642万円となる。
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