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遺族が穏やかな表情で、ひつぎの両側から中をのぞき込んでいた。制服姿の女子が話しかけている。遠い日に故人にかけてもらった言葉を思い出したのだろうか。10メートルほど離れたホールの入り口にいても、この家族の親密さがうかがえた。 3月のある日の午後7時すぎ、遺体安置施設「想送庵(そうそうあ…