| 中国のエレクトリックセダンには「クリーンなクーペ風デザインに、細く薄いヘッドライトとテールランプ」が多く見られる |
それでもさすがにこのドアで市販してきた例は他にないだろう
さて、模倣時代を経て独自の進化過程に入った感もある中国の自動車業界ですが、今回はテスラのライバルと目される4ドアサルーン「Neta S(ネタ?)」が33万8800元(日本円で約680万円)から販売開始。
そして驚かされるのは、まるでスーパーカーのようなディヘドラルドアを持つ999台限定の特別仕様車「Yaoshi」が設定されたことで(4ドアのうち、前の2枚のみが上に閻く)、このあたりは中国市場ならではだろう、と考えています。
そのスペックは「なかなか」だった
このNeta Sにつき、ピュアエレクトリックモデル(BEV)とレンジエクステンダー付きEV(EREV)の二種類がラインアップされ、AWDモデルは合計462PSを発生するデュアルモーターを搭載し0-100km/h加速は3.9秒、最高速度170km/h(リミッター作動)、一回の満充電あたりの航続可能距離はCLTCサイクルで650kmというスペックを誇ります(バッテリー容量は公開されていない)。
このほかNeta Sにはシングルモーター版のFR車も用意され、こちらは0-100km/h加速は6.9秒と控えめな数字となり、しかし消費電力が小さいために航続可能距離は715kmへ。
なお、レンジエクステンダー(発電機)搭載モデルだと航続距離は1,100kmに達するといい、かなり高い実用性を誇るということになりますね。
このNeta Sは全長4,980mm、全幅1,980mm、全高1,450mm、ホイールベースは2,980mmというけっこう大きなボディサイズを持ち、これはテスラ・モデルSとほぼ同じ(メルセデス・ベンツEQSよりもちょっとだけ長い)。
ボディデザインは近未来的で、エアロダイナミクスを重視した結果、そのCd値は0.216という非常に優れた数値を実現しています。
ちなみに限定モデル「Yaoshi」のボディカラーはマジックナイトブラック、エクストリームナイトグリーン、ラッシングシルバーの3色が設定され、ブラックにペイントされたアルミホイールにグリーンのブレーキキャリパーが与えられる、とのこと。
標準モデルもなかなかにスタイリッシュ。中国のEVもバカにできない
そしてこちらは標準モデルのNeta Sですが、ドアを閉じていると限定モデルのディヘドラルドアバージョンとほぼ「見た目は同じ」。※中国のエレクトリックセダン全般的にデザインが良く似ている
このNetaは聞き慣れないブランドではあるものの、2018年にHozon Autoのエレクトリックブランドとして展開が開始され、すでに「V Pro」と「U Pro」という2モデルを販売しているのだそう。
中国には現在300ものEVメーカーが存在するといいますが、いうまでもなくこれは「過剰」であり、すでに淘汰に入っている可能性が大。
「セダンにランボルギーニスタイルのドア」というとかなり奇妙には思えるものの、これは現地にて顧客を獲得するためのひとつの手段なのかもしれません。
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そして「顧客獲得のための手段」といえば、このNeta Sには家庭用充電器が無料で提供されるほか、Netaの用意する充電施設にて1,000〜2,000kWh/年の充電を無料で行うことができるというサービスもついてくるようですね。
Neta Sのインテリアもなかなかにオシャレ
このNeta Sはインテリアもなかなかに先進的で、1.9平方メートルの面積を誇るパノラマサンルーフ、13.3インチのデジタルメーター、17.6インチの2Kインフォテイメントタッチスクリーン、助手席用の12.3インチスクリーン、ヘッドアップディスプレイ、21スピーカー構成のサウンドシステム(1216W)が標準装備として紹介され、5台のミリ波レーダーと11台のカメラを備え、今後は2台のLiDARセンサー装着モデルもラインアップされるもよう(Netaの目標はレベル4の自律性を提供することだとされている)。
こうやってインテリアを見てみると、やはりテスラが多くの中国車に大きな影響を及ぼしたということもわかりますね。
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