セルフビルドに挑戦する? それとも出張建築をお願いする?
『サーキットの狼』に憧れて、30年以上前に1970年式ポルシェ911Sを購入したというSさん。これまではクルマを1台用のスチールガレージで保管していたが、いつかは大きなガレージを所有したいと思いをめぐらせていたという。すると、自宅に隣接する土地が入手できることとなり、ガレージ用にこの土地を購入することとなった。
インターネットで思い描くガレージを検索していくうちに、あらかじめ木材がパーツごとにカットされ、自分で組み立てることも可能な木製キットガレージで建てることを決定。具体的には木製キットガレージメーカーでは有名な「ジェイスタイル・ガレージ」の24×26フィート木製ガレージをセレクトした。
「ジェイスタイル・ガレージ」が販売をしているシダーガレージは、カナダ製レッドシダーの無垢材を輸入して日本の工場で加工したもの。サイズも豊富で、バイク用(61万円)からクルマが1~4台入るサイズまで、さまざまなタイプがあり、構造はシンプルなトラス式だ。このトラス式とは三角形を組み合わせた骨組みが外観上の特徴で、外力に対する抵抗が強く、形が崩れにくいという特性がある。また、太く重い梁などの構造材を使用しないので、材料コストの低減を可能にし、工期短縮や精度の向上など数多くのメリットがあるのだ。
こうしたキットガレージを自身でセルフビルドする方もいるということだが、今回Sさんはジェイスタイル・ガレージのスタッフに、東京から出張してもらうというオプションを選び、約2週間かけてガレージを完成させた。サイズは24フィート×26フィート。このサイズであれば、2台のクルマを入れてなおスペースに余裕がある。
大工さんの影響でDIYに開眼! ガレージ内デッキを自作
2週間でガレージが完成し、東京から出張していただいた大工さんにもアドバイスを受けたことで、今までDIYに無縁だったSさんは、電動ノコギリや各種工具を揃えて初のDIYにチャレンジ。ガレージ内に約9平方メートルの木製デッキを完成させた。ネットでサイズを指定すると、あらかじめカットされたデッキ用の部材が届くというECサイトで購入したところ、初めてでも順番通りに作業することで、サイズの狂いもなくすばらしい出来のものが完成したという。
ガレージ内のデッキは約30cmの高さがあり、その床下にはスペアタイヤ、ジャッキなどを保管。今まで母屋で保管していた雑誌約500冊はデッキの上の本棚へ移し、デッキ上にはソファを置いてクルマを眺めるスペースに。コレクションしていたポルシェのレアパーツやミニカー約200台を保管する収納ケースなどもディスプレイしているほか、工具も使いやすいようパンチングボードを利用して収納している。
ガレージ床は赤白のフロアタイルを100枚以上購入して市松模様のアクセントを入れたほか、ガレージ3か所にはクリアファイルで自作したステンシルプレートと缶スプレーでロゴをペイント。ガレージ内で快適に過ごすことができるように大型のエアコンやサーキュレーターも導入した。
週末になるとこのガレージで、友人や知人と楽しく充実した時間を共有しているSさん。将来はポルシェの工場でエンジンを2年かけてレストアしたという愛車を、息子さんにドライブしてらいたいと語る。クルマに加えてDIYの楽しみも増えたSさん。自由度の高い木製ガレージは、これからも棚などが造作されて大きな宝箱のように変化していくに違いない。ちなみにSさんが頼んだガレージのキットはお値段253万円。時間と体力のある方はセルフビルドに挑戦してみてもよいかもしれない。
投稿 憧れは『サーキットの狼』!ポルシェ911Sとパンダオーナーの木製ガレージは、まるでヨーロッパの雰囲気【ガレージライフ】 は CARSMEET WEB に最初に表示されました。