テクノロジー系YouTuberのMoore`s Law is Dead(MLID)の最新の報告によると、今年発売のIntel Raptor Lake-SはLGA1700ソケットを使う最後のデスクトップCPUになるかも知れない。
Moore`s Law is Dead(YouTube) : Intel Arrow Lake, Meteor Lake, Raptor Lake Leak : Crazy Performance, Crazier Delays
第14世代CPU「Meteor Lake」
Intelが2023年の第4四半期に発売を予定している、第14世代「Meteor Lake」デスクトップCPUシリーズでは、これまでとは全く別の新しいソケット規格になるようだ。
MLIDによると、LGA2551は、38×46mmのサイズとなり、LGA1700からそこまでサイズアップはしないようだ。(LGA1700は37.5×45mm)だが、ソケット規格の「2551」という数字からも、ピンが50%程増える事が示唆されている。
以下は、MLIDによって、明らかになったLGA2551プロセッサの実際の写真だ。
動画内でMLIDはこれまでの噂を総括する形で発表しているが、一部発売予定については異なる見解を示している。
第14世代MeteorLakeCPUは、まったく新しいタイルアーキテクチャアプローチを採用し、市場のゲームチェンジャーとなることが期待される。「Intel 4」プロセスノードに基づき、ワットあたりのパフォーマンスを20%向上させ、2022年下半期までにテープアウトする予定とのことだ(製造準備完了)。最初のMeteor Lake CPUは、2023年上半期までに出荷され、2023年第4四半期に発売される物と見られる。
タイル型アーキテクチャが採用される第14世代Meteor Lake CPUは、4つのメインタイルがある。IO Tile、SOC Tile、GFX Tile、Compute Tileだ。Compute Tileは、CPU TileとGFX Tileで構成される。CPU Tileは、Redwood Cove P-CoreとCrestmont E-Coreからなる新しいハイブリッドコア設計を採用し、低消費電力でより高性能なスループットを実現している。CPUは5Wから125Wまで、つまり超低TDPのモバイルPCからハイエンドのデスクトップPCまで対応する予定だ。
グラフィックスタイルはこれまでにないものになる。Meteor LakeのCPUは、タイル型Arcグラフィックス搭載GPUを利用することで、全く新しいクラスのグラフィックスオンチップとなる。iGPUでもdGPUでもなく、現在はtGPU(Tiled GPU / Next-Gen Graphics Engine)と言われている。Meteor LakeのCPUは、全く新しいXe-HPGグラフィックス・アーキテクチャを採用し、既存の統合GPUと同レベルの電力効率で更なる性能が見込まれる。また、現時点ではAlchemistのラインナップのみが対応しているDirectX 12 UltimateやXeSSのサポートが可能となる。
第15世代CPU「Arrow Lake」
Meteor Lakeに続くのがArrow Lakeで、第15世代CPUは更に多くの変化が見込まれている。Meteor Lakeとソケット互換性を持ちながら、それまでのRedwood CoveコアとCrestmontコアは、新コアのLion CoveとSkymontコアにアップグレードされる予定だ。これらは、新しいSKUで40/48と予想されるコア数(8個のPコア+32個のEコア)のアップグレードにより、大きなアドバンテージをもたらすと期待される。
以前のリークでは、デスクトップ用の「K」シリーズのメインストリームパーツが確認されていた。性能は、AMDやAppleのプロセッサと同等を達成すると言われており、これらは2桁の向上を提供することになる。GFXタイルに関する情報はないが、アーキテクチャが更新されるか、Xeコアが増加するはずだ。I/Oタイルは、Meteor Lakeに搭載されているものと同様のNeural Engines(VPU)と融合し、低消費電力のAtomコアを活用することになる。
驚いたことに、IntelはArrow LakeのCPUでは「Intel 4」ノードをスキップして、直接Intel 20Aにジャンプすることになる。Meteor LakeとArrow Lakeの両チップについて言えることは、追加のコアIP、おそらくArc GPUコアのためにN3(TSMC)プロセスノードを維持することだ。Intel 20Aノードは、次世代RibbonFET&PowerVia技術を利用して、1Wあたりの性能を15%向上させ、2022年後半には最初のIPテストウェハがファブで稼働する予定となっている。
つまり、少なくともモビリティについては、デスクトップチップが得るフルコア構成の何分の一かを利用することになるため、Intelはより効率的な路線を取ることになるようだ。また、Arrow Lakeでは、Meteor Lakeと同じように4チップレットデザインとなるが、コアとIO機能が増える。20Aプロセスノード自体は、ワットあたりの性能を15%向上させ、RibbonFETとPowerViaの技術を導入する予定だ。
Intel メインストリームデスクトップCPU世代の比較
INTEL CPUファミリー | プロセスルール | コア/スレッド数(最大) | TDP | プラットフォームチップセット | プラットホーム | メモリサポート | PCIEサポート | 発売 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Sandy Bridge(第2世代) | 32nm | 4/8 | 35-95W | 6シリーズ | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 2.0 | 2011 |
Ivy Bridge(第3世代) | 22nm | 4/8 | 35-77W | 7シリーズ | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2012年 |
Haswell(第4世代) | 22nm | 4/8 | 35-84W | 8シリーズ | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2013-2014 |
Broadwell (第5世代) | 14nm | 4/8 | 65-65W | 9シリーズ | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2015年 |
Skylake(第6世代) | 14nm | 4/8 | 35-91W | 100シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2015年 |
Kaby Lake(第7世代) | 14nm | 4/8 | 35-91W | 200シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2017年 |
Coffee Lake(第8世代) | 14nm | 6/12 | 35-95W | 300シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2017年 |
Coffee Lake(第9世代) | 14nm | 8/16 | 35-95W | 300シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2018年 |
Comet Lake(第10世代) | 14nm | 10/20 | 35-125W | 400シリーズ | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2020 |
Rocket Lake(第11世代) | 14nm | 8/16 | 35-125W | 500シリーズ | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 4.0 | 2021年 |
Alder Lake(第12世代) | Intel 7 | 16/24 | 35-125W | 600シリーズ | LGA 1700 | DDR5 / DDR4 | PCIe Gen 5.0 | 2021年 |
Raptor Lake(第13世代) | Intel 7 | 24/32 | 35-125W | 700シリーズ | LGA 1700 | DDR5 / DDR4 | PCIe Gen 5.0 | 2022年 |
Meteor Lake(第14世代) | Intel 4 | 未定 | 35-125W | 800シリーズ? | TBA | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2023年第四四半期 |
Arrow Lake(第15世代) | Intel 20A | 40/48 | 未定 | 900シリーズ? | TBA | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2024年 |
Lunar Lake(第16世代) | Intel 18A | 未定 | 未定 | 1000シリーズ? | TBA | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2025年 |
Nova Lake(第17世代) | Intel 18A | 未定 | 未定 | 2000シリーズ? | TBA | DDR5? | PCIe Gen 6.0? | 2026年 |