28日に東京都内で開催された在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の第25回全体大会で、来賓として挨拶した日本維新の会の鈴木宗男参院議員に2日、参議院会館を尋ね、挨拶した意図を聞いた。
鈴木氏は全体大会で
汗をかいてまいりたい、幾許かのお役に立ちたいと思う次第であります
などと発言していた。
ネット上などで批判の声があがっていることを問うと、鈴木氏はこう答えた。
固定観念を持っている連中が(批判を)やっている。そういう人に言ったって、また火が着くだけですから。黙っているほうが良いと思います。逆に対応しない方がいいんです。下手に拡散されても困るから。
全体大会の案内状には、鈴木氏の肩書きとして「参議院議員 新党大地代表」と書かれていた。日本維新の会の党務として挨拶したわけではなく、新党大地代表の立場で挨拶したという。
民主主義だから色々な考えを持っていて良いけれども、私の判断で動いている。ウクライナ問題でも、一切ブレていませんから。それと同じで、悪いけれどコメントは差し控えたい。
その上で、ネットの意見には反論しないと繰り返し明言した。
ネットの怖さは、どこかでカットされて真意が伝わらない点にある。この取材は受けません。また言い訳しているとか何とか言われますから。私は相手にしません。
頭から固定観念で言われたら、たまったもんじゃない。私なりのバランス感覚を持ってやっていますから。ネットは好き勝手言っている人が多いですから。逆に、黙っているのが一番良いんです。
「お役に立ちたい」と発言した意図について問うと、こう答えた。
政治の究極の目的は世界平和ですから。そのことは、挨拶の前段でも触れています。北朝鮮の一か国を扱っているわけではなく、世界の国の名前を出して言っています。
社民・服部氏「断絶ではなく話し合いの余地を」
大会2日目の29日には立憲民主党の源馬謙太郎衆院議員、社民党の服部良一幹事長も出席し挨拶した。服部氏は今夏の参院選東京選挙区に立候補を表明している。
服部氏に話を聞くと、次のように答えた。
平和憲法を守って、アジアの平和を作っていきたいということをお話ししました。国交がないことのほうが不自然。色々評価はあると思うが、きちっと友好関係を作っていかないといけない。
北朝鮮が日本海に向けてミサイル発射を連発していることについては、こう述べた。
(ミサイル発射は)アメリカを想定したもの。日本は憲法9条があるから侵略はしない前提があるので、標的にはなっていない。ただ、日本とアメリカが一緒に戦争するということになると、標的になる可能性もある。それはさせてはいけない。
緊張関係にはあるが、話し合いの余地を残す必要があるという。
排除の論理で断絶するのではなく、話し合いの余地を残すということです。戦争状態ではないのですから。
源馬氏にも質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。
朝鮮総連の全体大会は4年に1回開かれ、前回の2018年には、自民党や公明党からも議員が出席し挨拶した。今回も、日朝国交正常化推進議員連盟会長の自民党の衛藤征士郎衆院議員や共同通信社社長、デヴィ夫人らが祝電を送っている。