BMW XM
2022年12月に米国工場での製造がスタート
今回、XMの詳細なフォルムを隠すべく入念なカモフラージュが施された状態でテストの様子が公開された。それでも、マッシブなリヤフェンダー形状や高い完成度を持つインテリアなどが、これらの写真から窺い知ることができる。
2022年1月のコンセプトXM公開を経て、XMの量産プロトタイプは集中的なドライビングダイナミクス・テストを続けており、主に駆動系と足まわりの熟成が進められている。BMW M社50周年を記念し、2022年12月からBMWの米国スパルタンバーグ工場で生産を開始。現在、BMW M社初となる電動ハイパフォーマンスSUVの開発は、最終段階に入りつつある。
最高出力650ps・最大トルク800Nmを発揮
BMW XMは、M社のラインナップ初となるプラグインハイブリッド・パワートレイン「Mハイブリッドドライブ・システム」を搭載する。新開発のV型8気筒ガソリンエンジンと電動モーターにより、最高システム出力480KW(650ps)・最大トルク800Nmを発揮。これにハイブリッド専用「M xDrive」4輪駆動システムが組み合わせられる。
BMW M社の取締役会長を務める、フランシス・ファン・ミールはXMの開発状況について次のように説明した。
「BMW M社50周年というアニバーサリーイヤーの終わりに、BMW XMをデビューさせる予定です。私たちは未来を見据えていますし、BMW M社はこれからも既成概念にとらわれず、限界を押し広げていくことになります」
「電動化は『M』のドライブフィールを伝える、新たな機会となるでしょう。パワートレイン技術がどのようなものであっても、BMW M社が手掛けるハイパフォーマンスカーは、将来にわたって紛れもない『M』のキャラクターを持ち続けることになるのです」
様々な環境で最終的なテストを敢行
現在、ドイツの一般道を舞台に様々なテストプログラムが行われており、開発エンジニアとテストエンジニアは厳しく多様なルートメニューを設定。高速道路における中間加速、曲がりくねった郊外のワインディングロード、市街地でのストップ&ゴーなど、様々な走行条件が用意されている。
「Mハイブリッドドライブ・システム」に関しては、インテリジェントな制御を介してV型8気筒エンジンと電気モーターの相互作用を詳細にテスト。テストで得られたフィードバックを踏まえた改良も施されている。また、ドイツの山道や狭く蛇行した道路は、電子制御ディファレンシャルロックを含む新開発「M xDrive」4輪駆動システムの潜在能力を実証するための、理想的なテストフィールドになったという。
XMはフル電動モードで約80kmの航続距離が確保されており、市街地だけでなく、ある程度のロングドライブにも対応できるようになった。アクセルペダルの動きに対して、電気モーターは自発的に反応。信号待ちや街中での発進の際にも、瞬時に電力を供給し、ダイナミックな加速を実現している。