もっと詳しく

<p>豪州、9年ぶり政権交代へ 総選挙で野党勝利確実</p><p>豪州、9年ぶり政権交代へ 総選挙で野党勝利確実 対中強硬路線を取ったモリソン首相(54)の退陣は、日米印との協力枠組み「クアッド」の結束に影響する可能性もある。</p><p>【シドニー=森浩】オーストラリアで21日、総選挙の投開票が行われた。複数の地元メディアは、アンソニー・アルバニージー氏(59)率いる野党労働党が、下院(151…</p><p>反応 21日、オーストラリア・シドニーで投票する労働党のアルバニージー党首(AP=共同) 【シドニー=森浩】オーストラリアで21日、総選挙の投開票が行われた。複数の地元メディアは、アンソニー・アルバニージー氏(59)率いる野党労働党が、下院(151議席)で与党保守連合を破る見通しになったと報じた。9年ぶりの政権交代が確実となった。対中強硬路線を取ったモリソン首相(54)の退陣は、日米印との協力枠組み「クアッド」の結束に影響する可能性もある。 モリソン氏は21日、「アルバニージー氏に祝意を伝えた」と述べて敗北を認めた。 選挙戦では新型コロナウイルス対策の不手際や物価高の影響でモリソン政権に逆風が吹いた。最終盤に保守連合は追い上げ、20日発表の調査によると、労働党の支持率は36%で、保守連合(35%)との差はほぼなくなっていた。 モリソン氏は選挙戦で中国への強硬姿勢や原子力潜水艦導入決定などの実績を強調。新型コロナウイルス禍にも関わらず失業率が48年ぶりの低水準になったことなど、経済面の手腕もアピールした。ただ、4月の中国と南太平洋のソロモン諸島の安全保障協定締結を阻止できなかったことなどが批判を招き、広範な支持獲得には至らなかった。 アルバニージー氏は物価高騰対策や最低賃金の引き上げなどを求めた。対中政策は与党と「ほぼ一致している」と繰り返し訴え、保守層の支持も取り付けた。ただ、党内には親中派とされる重鎮も多いだけに、実際に政権の座に就いた場合の対中政策は見通せない面がある。 24日に日本で行われるクアッド首脳会合への豪州からの出席者は未定だが、アルバニージー氏は労働党が勝利した場合、速やかに首相に就任して自ら出席する意向を示している。</p>