SONYが先日発表したノイズキャンセリングヘッドフォン「WH-1000XM5」だが、米連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)への申請資料から内部構造が明らかになったことを、The Walkman Blogが報告している。
The Walkman Blog : Sony WH-1000XM5 FCC Teardown
FCCへの申請資料に添付された「WH-1000XM5」の内部画像が公開
The Walkman Blogは、米連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)への申請資料を入手し、内部構造等について解説を実施している。
左側ハウジング
左側ハウジング内部:ドライバーとWPAD
中心に30mmドライバーユニットが配置され、その周りに肌色のリングが見える。これは、FCCへの申請資料から「WPAD」と呼ばれる事が判明しているが、用途は不明なようだ。
リングの下側には、金属端子がある。近接センサー用か、ノイズキャンセル(自動NCオプティマイザー)関連している可能性があるとのことだ。
左側ハウジング内部:プリント基板周り
基板周りを見てみるとリボンケーブルとマイクが見える。また、ヒンジが外側ではなく、ヘッドフォンの内側に変更されていることが見て取れる。これはヒンジのノイズと音を最小限に抑えることを目的としているのではないかと、The Walkman Blogは推測している。
左側ハウジング内部:プリント基板表面拡大
WH-1000XM5の左側ハウジング内部に配置されているプリント基板について、拡大して解説されているが、一部写真の解像度が低いために不鮮明な部分もあるとのこと。
基板写真からThe Walkman Blogが解析した部品は以下の通りだ。
- Sony QN1プロセッサー(CXD90050)
- 左側のマイクアレイ用コネクタ
- フィードバックマイクリボンケーブル用のコネクタ
- ヘッドフォンジャック/ボタンPCB用のコネクタ
- 左側のドライバ接点
- 右側ハウジングからのケーブル用コネクタ
- 「WAPD」リボンケーブル
- ワイヤレスBluetoothアンテナ
- 水晶発振器
また、基板サイズは前モデル「WH-1000XM4」に比べて少し大きくなっているとのこと。
左側ハウジング内部:プリント基板裏面拡大
WH-1000XM5の左側ハウジング内部に配置されているプリント基板裏面の写真は以下の通りだ。
搭載されている部品は、下記の通りだ。
- MediaTek MT2822A(Bluetooth システム・オン・チップ(SoC))
- J8 コンデンサー
- 空気圧センサー
- 不明その1
- 不明その2
右側ハウジング
右側ハウジング内部:バッテリーとセンサー
右側ハウジングには、リチウムイオンバッテリーとタッチセンサーが姿を現す。
バッテリーを拡大すると、3.8V 定格1200mAh/4.56Whの表記が確認出来る。
前のモデルは3.7V 定格1100mAh/4.1Whのバッテリーを搭載していたが、WH-1000XM5は、3.8V 定格1200mAh/4.56Whと言うことで、電圧が3.7Vに対して3.8Vとなっているため、単純に比較は出来ないが、容量が4.1Whに対して4.56Whとなり、増加している。だが、実際のバッテリー持続時間は変わらないと言うことで、これは、マイクの数やノイズキャンセリングのためのチップの消費電力が増えたことが原因と考えられる。
タッチパッドセンサーはこちらになる。
右側ハウジング内部:プリント基板
右側ハウジングのプリント基板はこちら。
搭載されている部品は、下記の通りとなる。
- USB-C基板
- アクセサリー基板とUSB-C基板をつなぐケーブル
- ドライバーからのケーブル
- ドライバーからのケーブル接続部
- 左側ハウジングにつながるケーブル
- 右側ハウジングのマイク
- フィードバックマイクのコネクター、もしくはバッテリー温度センサー接続部
- バッテリー出力ケーブル
- バッテリー基板へのケーブル