日本車ならでは魅力・・・。壊れない、燃費がいい、かゆいところに手が届く使い勝手の良さ。輸入車と比較した際の維持のしやすさ。全国各地に張り巡らされたディーラー網。数え上げればキリがないほどあるだろう。
そんな数ある日本車の美点をこれでもかと詰め込んだカテゴリーがある。それは「軽キャンパー」だ。
いま、軽自動車をベースに、キャンピングカー仕様にカスタマイズされたクルマが注目を集めている。
メインカーとしてはもちろんのこと、置き場所や予算が許されるなら、セカンドカー、サードカーとしても魅力的な選択肢になりうる「200万円台で買える5台の軽キャンパー」をご紹介したい。
文/松村透
写真/ベストカー編集部、AdobeStock(Voyagerix,Andrey Armyagov,Fabio,simona,Paylessimages,Joaquin Corbalan)
■ズバリ、軽キャンパーの魅力とは?
これはキャンピングカー全体にいえることだが「思い立ったが吉日、とりあえず着替えを持って出掛けられる」点だろう。
朝起きて突然「旅行に行こうか」と思い立ったとする。友人・知人の家に泊まるアテがあったり、自身で別荘でも所有していれば話は別だが、宿を確保しなければならないケースが大半だろう。
つまり、旅行をする以上、その多くは宿泊先を含めてどこかしら「事前に目的地を決める必要がある」のだ。大型連休やお盆、年末年始であればなおさらだ。
その点、キャンピングカーであれば自由気ままだ。チェックインの時間を気にする必要もなければ、旅行に行きたいけれど、既にどこも満室で宿の予約ができない!と途方に暮れることもない。
時間の許す限り、自分の思うがままに行動することができるのだ。つまり、自由だ。
食事やトイレ、シャワー(お風呂)は出先で見つければいい(トイレやシャワーを装備するキャンピングカーも少なくない)。まさに着の身着のままで出掛けられる点が大きな魅力だ。
さらに、軽キャンパーのようなコンパクトなクルマであれば、ドライバーが疲れた時点でちょっと空いているスペースを見つけて停めて休むスペースを確保しやすい(もちろん、他人の迷惑にならない場所であることが大前提だが)。
ズバリ、軽キャンパーの魅力とは、さまざまなカテゴリーのなかでも、もっとも「自由」という時間を手に入れられるのがキャンピングカーであり、軽キャンパーかもしれない。
■軽キャンパーのメリットとデメリットとは?
さまざまな魅力を持つ軽キャンパー。当然ながら、メリットがあればデメリットもある。
メリット-1.普通車のキャンピングカーより安価で手に入る
普通乗用車のキャンピングカーというと、安くても300万円台〜上は数千万円クラスだ。決して安い金額とはいえない。しかし、今回のテーマにもあるように、軽キャンパーであれば200万円台から狙える点は魅力だ。
メリット-2.高速道路の料金が安い
最近は何かにかこつけて休日割ですらカットされる時代となってしまった高速料金。NEXCO 3社の軽自動車の高速料金は、1kmあたりの料金が普通乗用車の0.8と設定されているなど、軽自動車であれば割安に移動できる点も魅力といえる。
メリット-3.維持費も安い
タイヤや油脂類、点検整備の基本料金といった日々のメンテナンス代はもちろんのこと、軽自動車税は年間1万800円、車検時に支払う自動車重量税は6600円、自賠責保険(24ヶ月)が1万5900円に抑えられる。
メリット-4.駐車しやすい&狭い道もラクラク
軽自動車の規格内に収まった軽キャンパーだけに、駐車スペースの探しやすさでは軽自動車に勝るカテゴリーはない。うっかり迷い込んでしまった狭い道でも、普通乗用車よりはるかにストレスは少ない。
デメリット-1.車内が狭い
軽自動車の規格は全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下、排気量660㏄以下と定められている。1人で移動するならまだしも、2人、あるいはそれ以上であれば窮屈さを感じる場面があるだろう。
デメリット-2.車重増加に伴うパワーダウンと燃費の悪化
もともとメーカーで売られていたノーマル車両に架装する形で作られるのが軽キャンパー。重量および空気抵抗が増えれば必然的に燃費は悪化する。かといってアクセルペダルを踏み込みすぎては燃費はさらに悪化していく。
デメリット-3.せっかちには不向き
現在の軽自動車の最高出力は64psに自主規制されている。キャンピングカーに架装したからといって馬力をあげるわけには(表向きには)いかない。高速道路や登坂路では苦しい場面があるだろう。
デメリット-4.自宅より快適(笑)
家にいると邪魔者扱いされるし、かといって外に居場所があるわけでもないという気の毒なそこのお父さん。軽キャンパーは駆け込み寺だ。奧さんも「亭主元気で留守がいい」と喜んで購入を支援してくれる・・・かもしれない。
■200万円台で買える魅惑の軽キャンパー5選
1.ホワイトハウス N-BOX キャンパー Neo
ポップアップルーフ仕様を選ぶと2階部分も就寝スペースに早変わり!家族4人でも就寝可能。エアヒーターを装備し、エンジンを切った状態でも車内の保温が可能。
ベース車両:ホンダN-BOX(軽自動車5ナンバー登録)
ボディタイプ:標準ルーフ/ポップアップルーフ(就寝定員は4名まで)
価格:標準ルーフ:203万5000円~/ポップアップルーフ:228万8000円〜
主な装備:ホットパッケージ仕様にはエアヒーター、サブバッテリー、走行充電システム、DC室内ソケット、全席プライバシーカーテンなどが標準装備
オプション:ルーフ内ヒーティングダクト(5万2800円)、全窓プライバシーカーテン(7万7000円)、折り畳み式フラットベッド(8万8000円/左側)他、多数あり
URL:ホワイトハウスのホームページはこちら!
2.MYSミスティック J-cabin Mini W
すでに軽トラを所有している方にオススメ!! 軽トラが軽キャンパーに大変身! 2016年グッドデザイン賞を受賞。オプションで足回りの強化部品も用意。
ベース車両:軽トラックが別途必要
ボディタイプ:各種軽トラック(架装後の就寝定員は3名まで)
価格:223万6600円(キャビン部分の価格)
主な装備:ダイネットソファーベッド(大人1人用)、上部スライド式ベッド(大人2人用)、サブバッテリー(105アンペア1個)、エントランスドア(ネットスクリーン付き2重ドア)などが標準装備
オプション:エンゲルポータブル冷蔵庫12V、燃焼式ヒーター(座席下パターン/23万9800円)、ポータブルトイレ(ポルタポッティ145/1万9800円)、1.5Kwインバーター 正弦波(12V→100V/7万9300円)他、多数あり
URL:MYSミスティックのホームページはこちら!
3.NUTS-RV スピナ
簡単シートアレンジ、シャワーヘッド付きコンパクトシンクや小物入れ、USBポート他、抜群の使い勝手。大人2人がゆったりと寝られるスペースも確保。
ベース車両:日産NV100クリッパー/スズキエブリイ
ボディタイプ:ハイルーフ/ポップアップルーフ
価格:ハイルーフ(2WD/5MT 225万7200円〜)/ポップアップルーフ(2WD/5MT 269万7200円〜)※それぞれ2WD/4WD、5MT/4AT、NA/ターボの組み合わせあり
主な装備:左右上部キャビネット、ダイネットテーブル(2WAY)、サブバッテリー(80A)右リヤ家具内設置、12Vコンセント(2口)&USBコンセント(1口)などが標準装備
オプション:シンクセット(水タンク5L/伸縮式シャワーヘッド/4万8070円)、FFヒーター(23万7820円)、外部電源&100Vコンセント(室内コンセント1か所、10mコード付/2万5300円)他、多数あり
URL:ナッツのホームページはこちら!
4.ホワイトハウス N-VAN コンポ
N-VANベースの軽キャンパー。好みや予算に応じて多彩なグレード展開、豊富なオプションで理想の軽キャンパーを創り出すことが可能!
ベース車両:ホンダN-VAN(4ナンバー登録)
ボディタイプ:標準ルーフ/ポップアップルーフ(就寝定員は4名まで)
価格:標準ルーフ:223万4100円~/ポップアップルーフ:257万5100円〜
主な装備:エア・ヒーター、サブバッテリー、CTEK昇圧走行自動充電システム、スマートレコ(ドライブレコーダー)他
オプション:冷蔵庫(8万5800円)、フロント回転シート(運転席/8万8000円)、クイックエアーマット(シングルタイプ/4万9500円)、クイックエアーマット(ダブルタイプ/7万4800円)他、多数あり
URL:ホワイトハウスのホームページはこちら!
5.バンショップミカミ テントむし
ポップアップルーフ標準装備!! カワイイ外観とカラフルな内装も魅力的な軽キャンパーだ。
ベース車両:ダイハツハイゼット(8ナンバーまたは4ナンバー登録)
ボディタイプ:軽トラック(就寝定員は4名まで)
価格:286万6250円〜
主な装備:シェル(アルミ&FRPで軽量化された高剛性ボディー)、断熱ウレタン付きフルトリム、床 クッションフロア貼り、ポップアップルーフ (ナイロンテント生地、大型網窓付)他
オプション:マット生地をレザー生地に変更(4万4000円)、TV取付パック(地デジチューナー、TV取付アーム、電源/9万3500円)、テントむし専用ヒッチメンバー(加工取付配線込/16万5000円)他、多数あり
URL:バンショップミカミのホームページはこちら!
■まとめ:新車の軽キャンパーが買えるのは日本だけ!
スポーツカーやSUV、ミニバンなど、そのカテゴリーごとに各自動車メーカーが魅力的なモデルを発売しているように、軽キャンパーにもさまざまな選択肢がある。
「予算」「ベースとなるクルマ」「キャンピングカーの仕様」をじっくり吟味して、自分にとってベストな1台を選びたい。それには、多少の手間を掛けてでも販売元を訪ね、実車確認をするのが得策だ。
その理由として、キャンピングカーは、一般的なクルマを買う以上に「動く部屋」を手に入れる要素が強い。
家を買ったり、借りる際には内見をする機会が多いと思うが、どちらかというとその感覚で居心地の良さや快適性、使い勝手をチェックすることをオススメしたい。
こればかりはどれほどバーチャルの世界が進化しても、所有するオーナー自身が実体験してみないと善し悪しは分からないからだ。
また「欲しいことは確かなのだけれど、いざ買ってみたら持て余しそう・・・」と心配する人がいるかもしれない。それならば、まずはお試しとして「軽キャンパーのレンタカーを借りてみる」という手もある。
実際に欲しいモデルとは多少仕様は異なるかもしれないが、軽キャンパーを所有した場合の「疑似未来予想図」が実体験できる点は、自分自身に必要かどうかを見極めるうえで重要な判断材料となるだろう。
「起きて半畳寝て一畳、天下取っても二合半」ということわざがある。贅沢さを求めて上を見たらキリがないが、前向きな意味合いで「足るを知る(軽キャンパーで充分に楽しめる)」ことは間違いない。
何しろ「軽キャンパー」という規格の新車が買えるのは日本だけだ。ちょっと大げさだが、日本に国籍がある者の特権を大いに利用しない手はないかもしれない。
投稿 お手頃な200万円台から狙える! 軽キャンパーオススメ5選 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。