| パテックフィリップ ノーチラス「ハニーパール」には完璧な素材とカラーのバランスが求められた |
ムーブメントのカスタムだけで「数百時間」
さて、ロレックスやパテックフィリップの腕時計を中心にカスタムを行うスイスの工房、アルチザン・ドゥ・ジュネーブ。
今回はパテックフィリップ・ノーチラス(5711)をベースにパーソナライズを行った「ハニー・パール・プロジェクト」を公開しています。
なお、これは以前にリリースした(やはりノーチラスのカスタムである)パール・プロジェクトにインスパイアされたもので、「ローズゴールド、ブルー、アンスラサイトグレー」を組み合わせてダイヤルをスケルトン化し、”美意識、曲線”を視覚化することに注力しつつ、スケルトンムーブメントのテクニカルな外観による”強烈なタッチ”を与えたものだと紹介されています。
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依頼主は熱狂的なパテックフィリップのコレクター
このハニー・パール・プロジェクトの依頼主は「ある熱狂的なコレクター」とだけ紹介されていて、その高度な依頼内容に対し、”お客様の腕時計をカスタマイズすることで感動や思い出を伝えること”を仕事の本質だと考えるアルチザン・ドゥ・ジュネーブがそのたしかな技術をもって応えることに。
“アルティザン・ドゥ・ジュネーブの職人によれば、色の組み合わせだけにとどまらず、素材、色、曲線のブレンドによって全く新しい次元の調和を生み出すことが重要だった”といい、そしてクライアントが求めたのは配色と素材との完璧なバランス。
そこで文字盤にブルーを選び、ローズゴールドのケースとブレスレットを組み合わせ、わずかに赤を用いることでコントラストを付与しています。
なお、スケルトン化にあたってダイヤルは完全にオリジナルでの製作だとされ、ほかモデル(ロレックス・デイトナなど)のように、もともとの文字盤をくり抜いたりという方法ではないようですね。
ムーブメントをスケルトン仕様へと変更するにも相当な改造が必要であり、アルチザン・ドゥ・ジュネーブでは様々なパーツを自作しています。
ムーブメントには大幅なカスタムが施される
ムーブメントは一旦分解された後にポリッシュがかけられて部分的にゴールドメッキが施され、針の形状は顧客の指定によるもので、ポリッシュではなく、珍しく「ブラシ仕上げが採用に(このほうがスケルトンダイヤルに似合うという理由にて)。
キャリバーそのものはもともと搭載される26-330SCですが、そのカスタムには数百時間を要しており、スケルトンバックからの鑑賞に備えて「より美しい」外観を実現すべくローターはくり抜かれ、「カラトラバ十字」が強調されています。
さらには面取り、ポリッシュ、サークル状のグレイニング仕上げなど様々な技法によってその優雅さや精密さが視覚化されているようですね。
ノーチラスは非常に高い市場価格を誇るモデルのひとつですが、それだけにこういった不可逆的なカスタムを行うのには大きな決断が必要であったと思われるものの、「熱狂的なコレクター」だけに、ゴールドのノーチラスも数本所有している(よって1本くらいはカスタムしても問題はない)のかもしれません。
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