ひとつのバス事業者を掘り下げて紹介する、バスマガジンの名物コーナー、バス会社潜入レポート。今回は2017年に遡って、9月発売号で掲載した東野(とうや)交通編を振り返って紹介する。
東野交通の2017年7月31日現在の保有車両数は、乗合89台(高速車8台含む)、貸切26台、特定6台、計121台である。メーカー別に見ると、日野60台、三菱ふそう49台、いすゞ12台の順で、東武傘下にあった当時から、同グループでは珍しい三菱車が採用されており、現在も4割を占めている。
(記事の内容は、2017年9月現在のものです)
構成・執筆・写真/加藤佳一(B.J.エディターズ)
※2017年9月発売《バスマガジンvol.85》『おじゃまします! バス会社潜入レポート』より
(東野交通特集 その2)
■宇都宮地区は中型車が主力に 那須地区には大型ワンステ車
●東野鉄道カラー
東野交通の一般路線車は1990年代まで前後折戸の中尺大型車が採用され、一部に富士ボディが架装されていた。98年にはワンステップバスが導入され、99年から短尺に変更されている。
01年には中型ワンステップバス、03年には中型ノンステップバスが採用され、07年以降の新車は中型または小型のノンステップバスのみとなった。しかし17年、15年ぶりの大型車となる、エルガノンステップバスが2台新製されている。
乗降方式が前乗り前降りであることから、12年式まで一部型式を除き、側面表示器が最前部に設置されていた。
ボディカラーは赤白のオリジナルデザインに代わり、02年から東武グループ貸切デザイン、04年からこのデザインのグラデーションをオレンジ単色としたものを採用。みちのりグループに入ったのちに新製された前述のエルガノンステップバスは、東野鉄道時代の復刻カラーをまとって登場している。
90年代には中古購入も開始された。東武バスグループや朝日自動車グループから、大型ワンステップバスや小型車リエッセなど多くの車両が移籍し、その他の首都圏・関西圏事業者から転入した車両も見られる。前乗り前降りであるため、那須地区にはトップドアの自家用仕様車も投入されている。
移籍車のボディカラーは東武グループ貸切デザインのオレンジ単色版に統一されていたが、みちのりグループ入り後に移籍した大型車4台は赤白の東野交通オリジナルデザインとなった。
■高速・貸切はセレガ・ガーラ グループ3社間の車両転籍も
●貸切バスカラー
高速車は当初、貸切からの転用が行われ、スーパーハイデッカーも在籍したが、現在は高速車として新製された後部トイレつきのハイデッカーに統一されている。ボディカラーは東武グループ貸切デザインから、那須ロープウェイのラッピングに変更されている。
特定車は、作新学院スクールバスにトップドアのブルーリボンシティ、那須ガーデンアウトレット無料送迎バスに大型ノンステップバスを使用しており、後者には17年に新型ブルーリボンが加わり、在来車のエアロスターが一般路線に転用された。また矢板中央高校スクールバスは貸切転用車である。
●高速バスカラー
貸切車は従来、日野製フルデッカーが中心で、富士ボディ架装車も見られた。89年からスーパーハイデッカーが加わり、三菱製も採用されたが、近年はJバスボディのセレガ・ガーラの増備が続いている。
ボディカラーは東武グループ貸切デザインであったが、みちのりグループに入って新製されたセレガ2台は、赤白を基調に新たにデザインされたカラーリングとなった。那須交通・やしお観光バスの貸切車も東野交通に準じた車種・仕様で、3社間での車両のやりとりも行われている。
東野交通では登録番号を車号としており、宇都宮地区・那須地区間での異動の際は、希望ナンバーを取得して車号を維持している。また高速車は、希望ナンバー108に統一されている。
宇都宮市域と那珂川流域の町を結ぶ東野交通 那須高原の観光施設にもアクセス(東野交通特集 その1)
投稿 創立100周年を迎えた東野交通 新たな経営体制で地域密着のバス事業を展開 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。