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よくメルセデスがこれを許したな・・・。ウィル・アイ・アムとのコラボによるGクラス顔のAMG GT「ザ・フリップ」正式発表。エンブレムにはベンツマークではなく「クマ」

| たしかに強烈なインパクトを放つカスタムカーではあるが |

これがメルセデス・ベンツのブランドバリュー向上につながるかどうかについては疑問視する声のほうが多いようだ

さて、先日メルセデスAMGがティーザー画像を公開した「ウィル・アイ・アムとのコラボによるワンオフモデル」がついに正式公開。

メルセデスAMG GT 4ドアクーペをベースとし、Gクラス(ゲレンデ)のヘッドライトを移植し、ボンネット上にはSLSを連想させるダクトが設けられ、さらには「(前後逆に閻く)コーチドア」を持つというクルマです。

このワンオフモデルは「The Flip(ザ・フリップ)」と名付けられ、F1マイアミGPにて一般公開され、昨年9月よりメルセデスAMGとウィル・アイ・アムとがスタートさせた「恵まれない地域にSTEAM(科学、専門知識、工学、芸術、数学)分野の教育を提供することを目的とした慈善事業」に使用される、とのこと。

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メルセデスAMG ザ・フリップはこんなクルマ

そこでこのザ・フリップを見てみようと思いますが、まずフロントにはメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターの代わりに、ウィル・アイ・アムが好んで用いる熊のマーク(ベアウィットネス)が採用されています。

ちなみにホイールセンターキャップにもこのクマが用いられており、見る範囲では「メルセデス・ベンツ」を示すロゴやエンブレムがなく、「よくメルセデス・ベンツがこの仕様を許したな」と思ったり。※なんでもカスタムできるブガッティでも、エンブレムだけは変更できないという

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ベースはAMG GT 4ドアとなるものの、ドアは「(片側2枚から)1枚」に変更され、さらにコーチドアへ。

ルーフはセンターにピラーを持つグラストップですが、他の画像だとガラスが「真っ黒」のものもあるので、これは電気的にその暗さを変更できるエレクトロクロミックガラスなのかもしれません。

ホイールは1990年代のAMGに採用されていた「モノブロック」風を採用し、このホイールについてウィル・アイ・アムは当時のE55等からの影響について言及していますが、このディッシュ風デザインについては、故ヴァージル・アブローとメルセデス・ベンツとのコラボによって誕生した「プロジェクト・ゲレンデ」も同様のホイールを装着しているので、このデザインを支持する人々はけっこう多いようですね(ぼくも大好きだ)。

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搭載されるエンジンについては不明ではあるものの、ウィル・アイ・アムは「メルセデスAMGが最高のエンジンを製作することはわかっているので、なにも手を入れていない」とコメントしているので「ノーマル」ということになりそうで、しかしそれが4リッターV8なのか3リッターV6なのか、はたまた2リッター4気筒なのかは不明です。

ちなみにこのフロントは「1965年のマスタングを連想させる」という声が多く、しかしぼくが連想したのはアストンマーティンのワンオフモデル「ヴィクター(下の画像)」。

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ただしこれもマスタングをイメージしたとも言われているため、その意味ではザ・フリップがマスタングに近いと捉えられるのもうなずけます。

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メルセデスAMGは同時にアパレルラインも展開

ウィル・アイ・アムによると「私はゲットーでヒップホップとともに育ちました。伝説のヒップホップ・アーティストがメルセデスについてラップするのを見て育ったので、メルセデスを所有することは常に夢でした。多くの子供たちにとって、メルセデスを所有することは、進歩の象徴であり、苦境から前進することなのです。今、私は目標に到達し、AMGモデルのビジョンを再構築して創り上げることで、さらに高みを目指しています」。

そう考えると多くのミュージシャンが自身のPVの中で高級車を用いることには一定の効果があり、とくに子どもたちに夢を与えることとなっているようですね。

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このザ・フリップそのものについては今後どう扱われるのかは明かされていないものの、ひとまずはマイアミのメルセデスAMGエクスペリエンスセンター、そしてオンラインショップにて販売される「ベアウィットネス」アパレルコレクションの収益金がチャリティーに回されることがアナウンスされています。

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自動車業界では「アパレル」とのコラボが加速中

ちなみに故ヴァージル・アブローとのコラボレーションによる「プロジェクト・マイバッハ」においてもアパレルコレクションが展開されており、今後メルセデス・ベンツは同様の動きを加速させるのかもしれません。

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参考までにですが、ポルシェもファッションブランド(L’Art De L’Automobile)とのコラボレーションによってワンオフモデルを製作し、それをテーマにしたアパレルコレクションを展開していますが(日本ではポルシェセンターで購入できる)、自動車業界ではこれまでにない、様々な試みがなされているように感じます。

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参照:Mercedes-Benz

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