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<p>マリウポリの製鉄所脱出の民間人、ザポロジエ到着 ウクライナ軍公表 | 毎日新聞</p><p>マリウポリの製鉄所脱出の民間人、ザポロジエ到着 ウクライナ軍公表</p><p>ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、ロシア軍が包囲を続ける南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所で、民間人退避のため「初めて2日間の停戦が実現した」と述べ、女性や子どもら約100人が避難したと明らかにした。ソーシャルメディアに演説ビデオを投稿した。米NBCによると、ウクライナ軍は2日、製鉄所から</p><p>避難した100人以上がウクライナ政府が統治を維持している南部ザポロジエに到着したとフェイスブックに投稿した。国連が赤十字国際委員会(ICRC)と共にロシア・ウクライナと調整し、避難作業を仲介している。 「長い間、太陽を見ることができなかった」。製鉄所の地下壕(ごう)から夫と共に避難した女性(37)は、マリウポリの東30キロにある東部ドネツク州ベジメネ村の親露派支配地域に設置された一時的な避難所に到着後、ロイター通信の取材に答えた。女性は避難用のバスの車内で、もう懐中電灯を持ってトイレに行かなくてもいいと冗談を言い合ったとしながらも、「地下壕が崩れるのではないかと心配でたまらなかった」「私たちが経験したことは、想像を絶する恐怖だ」などと述べた。 ロシアのタス通信も露国防省の情報として、1日までの2日間で製鉄所から80人近くが避難したと報道した。 製鉄所では、ウクライナ政府傘下の戦闘部隊「アゾフ大隊」が立てこもるほか、約1000人の民間人が避難していたとされる。ゼレンスキー氏は、製鉄所に残る他の民間人の避難にも国連と協力して取り組むとした。グテレス国連事務総長は4月26日にプーチン露大統領と会談し、国連とICRCが民間人の避難作業に関与していくことで原則合意していた。 一方、ウクライナ側に残された市内最後の拠点である製鉄所からの市民の避難によって、露軍によるマリウポリの完全制圧につながる可能性がある。露軍はこれまで、ウクライナ側が民間人を「人間の盾」にしていると批判してきた。製鉄所内では食料や水の不足などの深刻な状況に懸念が深まっており、米シンクタンク「戦争研究所」は1日に発表した戦況分析で、露軍が製鉄所にとどまるウクライナの部隊を餓えさせようとしている可能性があると指摘した。 ウクライナ国営のウクルインフォルム通信は、1日の避難作業が一段落した後、露軍が製鉄所への砲撃を再開したと報じており、避難が予定通りに続けられるかは不透明だ。【堀和彦、八田浩輔】</p>