こんにちは、カメラマンの西尾タクトです。皆さん「カーフォトライフ」をいかがお過ごしでしょうか。
今やスマホで家具家電はおろか、クルマだって操作できちゃったりする時代です。せっかく手元に手軽で優秀な機器があるのだから、大好きなクルマの写真撮影を楽しんでみませんか?
機種は問いません。今回はベストカーWebらしく、SNSなどで「いいね!」されそうなクルマ写真を目標に撮影をしてみたいと思います。
※本稿は2022年3月のものです
文・写真/西尾タクト
初出:『ベストカー』2022年4月26日号
【画像ギャラリー】愛車をキレイに写真に収めてほしい!! スマホカメラの基本的な機能と実践テクニックをクイックチェック!!(10枚)画像ギャラリー
■まずはおさえておきたい スマホカメラで使える機能
多種多様のスマホですが、基本的な機能は同じです。親指で押しやすい画面の位置にシャッターがあります。
次に「ズーム」。これは液晶画面上ですぼめた2本指を開く「ピンチアウト」、またその逆は開いた2本指をすぼめる「ピンチイン」で行います。
もうひとつ大切なのが、ピントを合わせたい部分をタップして行う「フォーカス」。
スマホカメラのオートフォーカスはかなり賢いですが、じっくり撮影できる時はシャッターを切る前に再フォーカスする癖をつけましょう。
人物、食べ物、景色など、写真を撮る際にピントを合わせたい場所を必ずタップすることで、ピントと明るさの自動調整を行ってくれます。
■機能を覚えたら身の回りにあるもので練習してみよう!
筆者が写真の勉強でずっと試していた方法があります。それはできるかぎり「三度の食事を撮る」ことです。
古いCMよろしく、合言葉は「食べる前に、撮る!」。人に迷惑をかけない食事の際、ぜひオススメしたいです。
もちろん、家族やペット、クルマ好きならミニカーを撮り続けることも修業です。
その際、気をつけたいことは3つ。「光」、「写真の主体」、「背景」を意識すること。
自分が見てほしいもの、伝えたいことは何か。客観的にみて、見せたい物が伝わるかを意識する。逆に、邪魔するものが写り込んでいないか。
よく言われるのは「写真は引き算」これは、手軽なスマホだからこそ、自分が近づいたり、背景をなるべくシンプルにしたりして撮影すること。
例えば、赤いクルマを撮りたいならば、画面内にほかの赤いものがなるべく映り込まないように気を使います。
これは何においても共通すること。スマホの「シャッターを親指で押すだけ」ではなく、よく考えてシャッターを切る癖をつけることが大切です。手軽なスマホでも、その一瞬の考察が写真脳を成長させるのではないでしょうか。
■いざ、愛車でトライ!! 映える写真を決めよう!!
クルマ撮影の際の第一ポイントはまず「ズームで撮ること」です。クルマに近づきたい気持ちをグッと堪えて、5〜8mほど離れましょう。
右下の写真にあるように、近づいて撮影すると、レンズの歪曲によってクルマの形が歪んでしまうためです。
写真はヤリスを撮影したものですが、近づきすぎたBadの例では、コンパクトカーなのかSUVなのか、もはや形がわかりませんよね。
距離がとれないクルマのイベントなどでは、こうした歪みのある、画面内ギッチギチに車体を押し込めたようなカーフォトになりがちです。
まずは一呼吸、できるだけクルマから離れましょう。
第二ポイントは、カメラの高さをクルマに合わせること。
俗に「目高」と言われる、棒立ちでカメラを構えた場合よりも、四輪がなるべく写る高さにかがんだ方が、クルマがまるで四つ足の獣のようにカッコよく見えませんか?
目高だとよくある「中古車屋さんの写真」というイメージなのに対して、なるべく四輪が見える高さに構えたほうが、エモい写真になるのです。
■アプリケーションを活用し、写真をブラッシュアップしよう!
フィルム世代とデジカメ世代の確執のひとつが「写真の事後加工」についてです。
「昔はライトやフィルタを駆使して撮った」という苦労話とともに「デジタル加工した写真は邪道」というもの。でも、今撮った写真はデジタルで見るのですから。好きに加工してもいいのでは?
そんなわけで著者が多用するオススメアプリをひとつ。Adobe社のアプリ『PS Express』です。
パソコンソフトで有名なフォトショップ簡易版のひとつで、基本無料から利用可能。課金で機能追加をすることもでき、さまざまな加工が可能。
右ページのヤリスの写真を、左写真のとおりアプリでいじることにより、誌面のモノクロページでも少し劇画的に見えるように加工してみました。
ヤリスの凹凸とともに、背景の木々や雲が引き立って見えるかと思います。
スマホ写真は基本的にスマホなどで見る機会が多いものなので、SNSを流し見する一瞬で目に留まるようバンバン加工しちゃって「イイね」を貰っちゃいましょう!
■まとめ 本講座の重要おさらい
1. 主体を意識し「引き算の美学」で撮る
2.かがんだり望遠を使うと見えてくる構図もある
3.ただし加工も斜めもやりすぎには注意!
スマホの可能性は無限大!! スマホカメラの世界、いやはや馬鹿にできません! ぜひ、映える写真を撮りまくりましょう!
【番外コラム】ぶっちゃけ「斜め撮り」ってアリ? ナシ?
写真に厳しい人から「水平じゃないと邪道!」という声も聞きますが、漫画で育った筆者は斜め写真も大好きです。主体が明確なら斜めの演出もアリなのでは?
ただし、見る側が本やモニターを傾けなければいけない、やりすぎの斜め写真には注意!
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投稿 クルマ写真をカッコよく撮りたい方必見!! すぐ撮れる! 映えるスマホカメラ講座 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。