NVIDIAではTSMC 5nmで製造されるAda Lovelaceアーキテクチャを搭載したGeForce RTX 4000シリーズを2022年中に投入予定ですが、今回この中で最上位モデルであるRTX 4090の消費電力とAda Lovelaceベースのワークステーション向けGPUの情報が出現しました。
Ada Lovelace搭載のゲーミングとワークステーション向けGPU
NVIDIAでは2020年末に発表、発売を行なったAmpereアーキテクチャーの後継モデルとなるAda Lovelaceアーキテクチャーを搭載した製品を2022年下半期に発売予定としていますが、この中で消費電力について度々噂に上がる最上位モデルであるGeForce RTX 4090とこのRTX 4090に搭載されるAD102 GPUを搭載したワークステーション向けGPU、NVIDIA RTX L6000に関する情報がMoore’s Law is Deadから出現しました。
GeForce RTX 4090はTBPは一部AIBモデルで700W超え。電源は1000Wが普通の時代に
NVIDIA GeForce RTX 4090については度々600Wを超える消費電力になるというリークが出ていますが、Moore’s Law is Deadによると様々なソースからこのTBP 600Wという話は出ており、かなり確度は高いとのことです。
このTBP 600Wについてはkopite7kimi氏やGreymon55氏などで取り上げられてはいたものの、Moore’s Law is Deadの中の人であるTom氏はあまり情報が無かったうえ、実用性の問題上あり得ないのでは無いかと考えていたとの事です。
と言うのも600Wもの消費電力がGPUだけで必要となればまずGPU側には冷却面で巨大なヒートシンクや水冷でなければ対応が難しくコストを大きく上げる要因となり、600Wという消費電力自体も暖房器具を部屋に置くのに等しく顔や足元に熱風が常に吹き付けられるためとの事です。
しかし、Moore’s Law is Deadが持つソースによるとGeForce RTX 4090でTBP 600Wと言うのはリファレンスモデルにおいて事実である事が確認できたうえに、一部AIBモデルではオーバークロックなどにより700Wを超えるモデルも用意されるとの事です。
ゲーミングPCなどを製造するOEMからもRTX 4090のTBPが高いという情報が出ているとの事です。また、OEM各社では最近従来モデルに比べるとPCケースの大型化や電源ユニットの容量拡大を行う傾向にあり、その理由としては1年以内に登場するGeForce RTX 4090に備えている可能性が高いとの事です。OEM各社としては今後電源ユニットに関しては1000W以上のモデルを搭載するのがハイエンドモデルでは当たり前になる事を想定しているようです。
RTX 4080やRTX 4070も消費電力高めの模様。AMDに負けないためになりふり構わず
GeForce RTX 4090については立ち位置的にはGeForce RTX 3090 Tiの後継となっており、性能のためなら消費電力も価格も気にしないというユーザー向けの製品になっています。一方でGeForce RTX 4070やRTX 4080についてはコストパフォーマンスも意識するハイエンドユーザー向けの製品となっていますが、Moore’s Law is DeadではRTX 4090のTBPやNVIDIAの「AMDに負けたくない病」の状況を見る限りRTX 4080についてはRadeon RX 7800 XTに負けないために400~450W程度、RTX 4070については300W程度が期待される消費電力にはなりますが、Radeon RX 7700 XTに負けないために350W程度の消費電力になる可能性があるようです。
ワークステーション向けGPU、RTX L6000の情報も出現。常識的な消費電力に
NVIDIAではワークステーション向けGPUとしてAmpere NVIDIA RTX A6000などを発売していますが、Ada Lovelace世代ではLと言う頭文字が付けられGeForce RTX 3090などで採用されているAD102 GPUを採用するハイエンドモデルについてはNVIDIA RTX L6000またはL8000と命名されるようです。(ここではL6000と言います)
このNVIDIA RTX L6000については既にプロトタイプが出現しており、現時点ではRTX A6000のTBDである300Wを超える320~375Wで動作しているとの事です。
また、プロトタイプでは外部電源にCPUの電力供給に使われるEPS 8pin(最大375W)が搭載されているモデルや『12VHPWR』である16pin電源が搭載されているモデルも存在しているようですが、エンタープライズ用途ではEPS 8pinが標準的であるため最終製品はEPS 8pinを搭載した状態で出現する事が予測されています。
冷却面ではこのRTX L6000では複数枚搭載する事が想定される事から引き続きブロワータイプの2スロットクーラーが搭載されるようです。
GeForce RTX 4090については消費電力が高い事がほぼすべてのソースから言われており、もうどう転んでも600Wになる事は変わら無さそうです。NVIDIAとしてはAMDに何が何でも負けたくない事がこのように高い消費電力でもリリースする理由のようです。
ただ、個人的にNVIDIAがRTX 4090でRadeon RX 7900 XTの性能を超えられたところで、RX 7900 XTが500W程度で抑えていたらNVIDIAはただ力でゴリ押ししただけでRX 7900 XTがオーバークロックやリフレッシュモデルのRX 7950 XTなどをリリースすれば優に超えられてしまうので、最高性能と言う称号に囚われず、販売戦略の見直しなどを行った方が良い気がします。まぁ、販売戦略が心配ではあるものの、ネタとして600Wや700WのGPUは面白いので出たら価格次第ではありますが、欲しい気持ちもあります。ただ、Radeon RX 7900 XTが性能的に勝っていればそっちを買いますけど。
一方でNVIDIAはワークステーション向けGPUに関しては正気を保っており、若干消費電力が上がるものの最大でも375Wとなっています。これでもワークステーション向けGPUとしてはかなり高い分類にはなりますが、EPS 8pinの容量を超える事が無く、電源ユニットの総入れ替えが必要な状況も回避できるのでRTX 4090に比べると常識的な商品と言えそうです。
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