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 クレーン大手のタダノ(香川県高松市)が、2023年内に日本市場で電動ラフテレーンクレーンを発売すると発表した。同社は今年1月にラフテレーンクレーン向け電動パワーユニットを共同開発しているが、ラフテレーンクレーンの電動化は世界初とのことで注目だ。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/タダノ


世界初の電動ラフテレーンクレーンを2023年内に発売へ!!

タダノのラフテレーンクレーン

 タダノは、中期経営計画(21-23)で掲げる「2050年カーボンネットゼロ」の実現に向けた「Tadano Green Solutions」の一環として、このほど世界初の電動ラフテレーンクレーンの商品化計画を発表した。

 ラフテレーンクレーンとは、ひとつの運転席で走行とクレーン操作を行なうことができる建設用の自走式クレーン。高い悪路走破性と小回り性が持ち味で、近年は持ち前の小回り性を活かして市街地の現場での活躍も目立っている。

 ちなみに、タダノではラフテレーンクレーンなどクレーン製品をLE製品と呼称。LEは「Lifting Equipment」のイニシャルで、日本語では「(走行機能付)抗重力・空間作業機械」と表している。

 現在、同社のLE製品はディーゼルエンジンを搭載。ディーゼルエンジンの動力を使って現場まで走行するとともに、エンジンの回転力で油圧ポンプを動かし、より重いものを、より高く吊り上げることができている。

 特にクレーンの場合は車両重量が大きく、稼働/走行には多くの軽油を消費し、多くのCO2を発生している。製品が排出するCO2は、同社グループの工場など事業活動で排出するCO2を大きく上回っており、製品のCO2排出削減が大きな課題となっている。

 同社は先日、電気の力で油圧ポンプを駆動するシステム「E-PACK」の日本発売を発表。E-PACKを使用すれば、クレーン作業時はエンジンを始動させずに作業できるため、作業時のCO2排出量をゼロにできるとしている。

 いっぽう、今回発表した日本向けの電動ラフテレーンクレーンは、クレーン作業時とともに走行時のCO”排出もゼロにするもの。現時点では仕様と主要諸元は非公表としているが、すでに試験を行なっており、2023年内に発売予定という。

ラフテレーンクレーン向け電動パワーユニット「E-PACK」とは

「E-PACK」と専用仕様ラフテレーンクレーン

 E-PACKはラフテレーンクレーン向けの電動パワーユニット。タダノが太平電業(東京都千代田区)と共同開発し、2022年1月26日より太平電業に先行導入している。

 外部電源により電動機駆動の油圧ポンプを作動させ、エンジンを始動させることなくクレーン作業を行なうことが可能。これによりクレーン作業中の燃料消費がなくなり、CO2排出量ゼロを実現する。

 対応製品は「GR-250N(クレヴォ250G5)」の専用仕様。専用仕様は購入時に選択する。

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