最近、家電量販店や広告でSIMフリーという言葉を見かける機会が増えていますよね。
携帯にまつわる用語なのはなんとなく理解できる人も多いと思いますが、どんな意味があるのかよくわかっていない方も多いかもしれませんね。
SIMフリーとは、お得にスマホを使えるようになる格安SIMを利用するために必要なことのひとつです。
このコラムでは、言葉は知っているけど意外と知られていないSIMフリーとはどんなものなのかをわかりやすくまとめました。
SIMフリーとは何かを知って、お得にスマホを使ってみましょう!
記事内の情報に関して細かな精査を行ってはおりますが、最新情報と本文中の記述に差異が生じている可能性もありますのでご留意ください。
今さら聞けない!SIMフリーとは?
まず携帯を利用するためには、SIMカードと呼ばれる電話番号などの情報が記録された小型のチップが必要です。
なので、携帯にSIMカードが挿入されていないと、電話をかけたり、ネットに接続したりできないようになっています。
SIMフリーとは「携帯の自由化」!
ドコモ、au、ソフトバンクのいわゆる大手キャリアの携帯端末には、契約者の乗り換えを防ぐために端末と同じ会社のSIMカードしか読み込めないようにロックがかけられています。
これが、SIMロックと呼ばれるものです。
たとえばドコモで購入したスマホにauのSIMカードを挿入しても使えないようになっています。
SIMフリーとはこのSIMロックを解除した状態、つまりどのSIMカードを挿しても利用できることをいいます。
近年、電気など各ライフラインの小売り化による公共料金の自由化が話題になりましたね。
SIMフリーも同じように「携帯会社の自由化」と表現できます。
また、SIMフリーにすることでお得に携帯を利用できる格安SIMを使えるようになります。
現在も大手キャリアで購入した携帯端末にもSIMロックはかけられていますが、2015年の5月にはSIMロックの解除ができるようにすることを法律で義務付けられました。
そのため大手キャリアの現在販売されている携帯の多くは、SIMロックを解除してSIMフリーにすることができるようになりました。
なんで大手キャリアはSIMロックの解除が義務化されたの?
大手キャリアの携帯端末は契約者の乗り換えを防ぐためにSIMロックがかけられています。
しかし2015年の各キャリアで5月にSIMロックの解除が義務化されました。
その理由は、「インセンティブ制度をなくすため」です。
日本のスマホ市場では、各ショップの店頭などでの販売数に対して大手キャリアから奨励金をもらうインセンティブ制度というものを採用しています。
このインセンティブは私たちが毎月支払っている料金から出されていて、端末料金の分割サポートなどにあてられています。
インセンティブ制度のおかげで、携帯電話は飛ぶ鳥を落とす勢いで普及していきました。
そのため、急速に増えた契約者に乗り換えさせないためにSIMロックがかけられるようになったのです。
しかし普及が飽和状態になりつつある現在では、私たちがインセンティブ制度の恩恵を受ける機会は少なく、むしろ負担になっている状態といえます。
負担へと変わってしまったインセンティブ制度をなくすためにも、通信料金と端末料金を分離されるようになりましたが、思うようには改善されませんでした。
そこでインセンティブ制度を根元から支えていたSIMロックを無くすために、各キャリアでSIMロック解除が義務化されたのです。
SIMフリーにするメリットとデメリット
SIMフリーとは何かを理解したところで、SIMフリーのメリットやデメリットをこちらの章ではご紹介します。
それぞれみていきましょう。
SIMフリーにするメリット
SIMフリーにすることの最大のメリットは、どの通信会社のSIMカードでも利用できることにあります。
とはいえSIMフリーにするメリットはまだ2つあるんです。
海外でもお得にスマホを使える
中古での買い取り金額が上がる
SIMフリーにするとでこのようなメリットがあります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
海外でもお得にスマホが使える
大手キャリアには、海外でも使える通信プランが用意されています。
日本で契約している分のデータ通信が可能ですが、料金は1日で3,000円ほどとかなり割高です。
海外の空港には旅行の間だけ使えるSIMカードが販売されていることが多くあります。
SIMフリーにしていれば、現地でSIMカードを購入して利用できますよ!
海外SIMの料金は1,000円ほどで、1週間に3GBの通信ができるものが多いようです。
データ通信量はやや少なめですが、大手キャリアの料金と比べるとお得ですよね。
海外旅行や出張などで、しばしば海外に行くひとからすれば、大変ありがたいメリットといえますね。
【海外プランの比較】
料金 | データ通信量 | 期間 | |
ドコモ | 980円 | 契約している上限まで | 1日 |
au | 3,000円 | 契約している上限まで | 1日 |
ソフトバンク | 3,000円 | 契約している上限まで | 1日 |
海外SIM | 約1,000円 | 平均3GB | 1週間 |
中古での買取金額が上がる
現在は多くの格安SIM会社があり、SIMフリー端末の需要は右肩上がりになっています。
そのため、SIMロックのかかったキャリア端末よりSIMフリー端末のほうが買取価格が高くなる傾向にあるといえます。
その反面、店頭での販売価格は高く設定されているんです。
のちほどご紹介しますが、SIMロックの解除は簡単な手続きでできます。
端末を買い替える前にSIMロック解除をしてみてもいいかもしれませんね。
SIMフリーにするデメリット
SIMフリーはデメリットが目立つように思われますが、正直なところSIMフリーにすることで起きるデメリットはほとんどありません。
しいていえば端末の初期設定でAPN(アクセスネームポイント)と呼ばれるネットの接続先の設定が必要になりますが、説明書に沿って設定するだけでできてしまいます。
意外と難しくない設定のため、初心者でもあっても大丈夫でしょう。
SIMフリーにする人の多くは格安SIMを利用したいのではないでしょうか。
SIMフリーのデメリットといわれていることは、じつは格安SIMに関するデメリットなんです。
その一例をご紹介しますね。
通信速度が遅い
これは口コミなどで知っている方も多いかもしれませんが、格安SIMは大手キャリアよりも通信速度が遅くなります。
とくに、多くの人がスマホを利用して回線が混雑しやすいお昼や夕方から夜にかけては遅い傾向があるといえます。
その実行速度は1Mbpsを下回り、ネットの読み込みすら難しいほどになることも少なくありません。
とはいえそれ以外の時間はほとんど大手キャリアと変わらない速度で利用できます。
つまり、混雑する時間帯はWi-Fiを使うなどの対策さえきちんとすれば問題なく使えるといえるでしょう。
キャリアサービスが受けられない
大手キャリアからはメールアドレスなどのさまざまなサービスが提供されていますが、格安SIMではそれらを利用できなくなります。
とくに、ゲームアプリなどを利用している人にとっては携帯料金と合算して支払いができるキャリア決済が使えなくなるのがつらいところかもしれません。
キャリアの場合、もしも端末が故障したときはキャリアショップにいけば修理や代替機を貸し出してくれます。
しかし、格安SIM会社では端末のサポートはメーカーに依頼しなければいけないことも注意しておきましょう。
海外ではSIMフリーが当たり前!?
SIMフリーが広まりつつある日本ですが、まだまだ「怪しそう……」と思っている方も多いかもしれませんね。
じつは、海外ではSIMフリーが当たり前なんです!
海外のほとんどの国では、家電量販店などで好みのSIMフリー端末を購入して、その足で自分の目的に合った通信会社へ行ってSIMカードを契約する方式が主流です。
人によっては1枚のSIMカードを複数の端末で使ったり、通話やネットなど目的別にSIMカードを用意することもあるようです。
「SIMロックはかかっているのが普通」な日本は、世界の携帯電話事情から見ればマイノリティに属しているといえます。
超簡単!SIMフリー端末の入手方法
日本でSIMフリー端末を入手するには、「キャリア端末のSIMロックを解除する」、「販売店でSIMフリー端末を購入する」の主に2つの方法があります。
端末のSIMロックを解除する
SIMロックの解除が法律で義務化されましたが、現在のキャリア携帯にもはじめはSIMロックがかけられています。
今使っている携帯で格安SIMを利用したい方は、SIMロックを解除する必要があります。
SIMロック解除の手続きには、IMEI番号という端末の製造番号が必要になります。
各端末のIMEI番号は、設定の中にある端末情報で確認できます。
またSIMロックを解除する方法は、「ショップや電話で手続きをしてもらう」か「キャリアサイトのマイページから手続きをする」の2つの方法があります。
ショップなどで手続きをしてもらう場合は3,000円ほどの手数料がかかりますが、ネットでする場合は手数料不要です。
とはいえどちらで手続きするかに関わらず、SIMロックの解除にはいくつかの条件が必要になります。
キャリアごとに詳細は異なりますが、共通しているのは以下の項目です。
【主な条件】
契約者本人であること・SIMロック解除に対応している機種であること
端末が故障していないこと
セキュリティロックなどのロックがかかっていないこと
端末の購入から一定期間が経過していること
SIMロック解除の詳細な条件や手続き方法については、各キャリアの公式サイトをご確認くださいね。
SIMフリー端末を購入する
SIMフリー端末は各キャリアショップや家電量販店など、携帯を扱っているお店のほとんどで販売されています。
ちなみにiPhoneのSIMフリー端末は、Apple Storeでも販売されています。
詳しくはこちらの記事をご確認くださいね。
関連記事:【12月最新】iPhoneのSIMフリー版を安く買う唯一の方法と3つの注意点
中古販売店ならSIMフリー端末を安く購入することができます。
しかし、ここでひとつ気をつけてほしいことがあります。
それは下にあるような「技適マーク」があるかを確認することです。
技適マーク
出典:総務省 電波利用ホームページ | 技適マーク、無線機の購入・使用に関すること
この技適マークとは日本国内で無線機器として使う許可を得ている製品に付けられるマークです。
この技適マークのない製品を使用すると、電波法に違反してしまい、懲役や罰金を課せられる可能性があります。
日本で使われることを想定されていない海外製品はついていない確率が高いかもしれないので、とくに注意してくださいね。
基本的に技適マークは、設定の端末情報にある認証ページか、端末のバッテリーカバーの裏などで確認できます。
「どこにあるかわからない」「ちゃんと付いているか不安」という場合は、購入前に販売店で確認してくださいね。
SIMフリーで利用できるおすすめの格安SIM5社をご紹介!
SIMフリーとは何かのお話で、SIMフリーにすることで格安SIMを利用できるとお伝えしましたよね。
ところが実際にはSIMフリーにしなくても格安SIMを利用できるんです!
その方法は、利用中の携帯キャリアと同じ回線の格安SIMを利用することです。
格安SIM各社は、大手キャリアから回線をレンタルする形で自社のサービスを提供しています。
そのため現在使っている回線と格安SIM会社がレンタルしている回線が同じなら、SIMロックを解除せずに利用できるんです!
そうはいっても格安SIM会社はたくさんあるので、格安SIMを利用したくてもどこがいいのかわからない方も少なくないかもしれませんね。
そこでおすすめできる5社を厳選してご紹介します。
格安SIMを検討するときの参考にしてくださいね。
LINEモバイル
LINEモバイルは通話アプリのLINEが提供しており、ドコモかソフトバンクのいずれかを選べます。
LINEモバイルの特徴は、一定以上のデータプランで契約すると、SNSアプリのデータ使用量がカウントフリーになります。
つまり使い放題になるんです!
1GB以上のデータプランでLINEが、3GB以上のデータプランでTwitterなどの他のSNSもカウントフリーになりますよ。
通常の格安SIMでは、LINEのID検索や年齢認証などの機能を使えないのですが、LINEモバイルなら使うことができます。
まさにアプリ提供元ならではの特権といえますね。
こんな人におすすめ!
LINEやTwitterなどのSNSを頻繁に使う人
ドコモ・ソフトバンク回線で利用したい人
楽天モバイル
楽天モバイルは楽天グループが提供する格安SIMで、ドコモとauの回線が使えます。
特徴としては、支払い方法をクレジットカード、デビットカード、口座振替の3つから選択できることがあげられます。
デビットカードで支払える格安SIMは楽天モバイルだけなので、デビットカードユーザーや口座振替払い希望者の格安SIM契約は、ここ一択といっても過言ではないでしょう。
格安SIMの支払い方法はほとんどがクレジットカード一択です。
そのため、その他の支払い方法を提示している格安SIM会社はごく少数なんです。
その他の支払い方法があっても、条件付きであることも多く適用できないことも少なくありません。
しかし、楽天モバイルではどんなプランでも支払い方法を選べます。
さらに、料金プランが豊富で自由にプランを組めることもメリットでしょう。
こんな人におすすめ!
クレジットカードを持っていない人
料金の支払いを口座振替にしたい人
自分にあった料金プランを作りたい人
BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルはインターネットプロバイダであるBIGLOBE(ビッグローブ)が提供しており、ドコモとauの回線が利用できます。
BIGLOBEモバイルの目玉は、なんといってもエンタメフリーオプションでしょう。
6GB以上のデータプランの契約で追加できるエンタメフリーオプションでは、Youtubeなどの動画サービスやGoogle Play Musicなどの音楽サービスのデータ通信をカウントフリーで利用できます。
こんな人におすすめ!
データ容量に縛られずに動画や音楽を楽しみたい人
ドコモ・au回線で利用したい人
mineo
「mineoの名前は聞いたことがあるけど、どこの会社なの?」という人も多いかもしれませんね。
mineoは関西電力の系列会社で大手格安SIM会社のひとつです。
mineoの特徴は、格安SIM会社の中で唯一全ての回線で使えることです。
このお話の頭でお伝えしたように、同じ回線をレンタルしてる格安SIMならSIMロックの解除は必要ありません。
つまり、mineoならどのキャリアの端末でもSIMロックを解除することなく利用できるということになります。
また、フリータンクというmineo利用者なら誰でも使えるデータ容量のタンクがあります。
契約している毎月のデータ容量を使い切ってしまっても、フリータンクから無料で1GBまでなら引き出せるので、いざというときも安心ですね。
こんな人におすすめ!
SIMロックの解除をしたくない人
通信回線にこだわりがある人
データ容量をよく超えてしまう人
UQ mobile
UQ mobileはKDDI系列の格安SIM会社です。
そのため、使える回線はauのみとなります。
しかし、メリットもありますよ!
それは通信速度が速いことです。
通常の格安SIMは大手キャリアに比べて通信速度が遅いものですが、UQ mobileは大手キャリアをしのぐほどの速度を発揮しています。
他の格安SIMに比べて月額料金は高めですが、それでも大手キャリアよりもお得に利用できます。
こんな人におすすめ!
毎月の料金と通信速度を両立したい人
au回線を利用で利用したい人
各格安SIM会社の料金比較
最後にご紹介した5社の料金の一例を表にして比較しますね。
比較する料金プランは毎月のデータ使用料が5〜6GBで音声通話を付けた場合です。
また音声通話SIMには大手キャリアのいわゆる「2年縛り」はありませんが、最低利用期間というものがあり、期間内に解約すると違約金が発生します。
こちらも合わせてまとめましたのでご覧ください。
【海外プランの比較】
月額料金(ギガ数) | 違約金(最低利用期間) | |
LINEモバイル | 2,220円(5GB) | 9,800円(12ヶ月) |
楽天モバイル | 2,150円(5GB) | 9,800円(12ヶ月) |
BIGLOBEモバイル | 2,150円(6GB) | 8,000円+月額料金(なし) |
mineo | 2,280円(6GB) | なし |
UQ mobile | 2,680円(無制限) | 9,500円(12ヶ月) |
まとめ
SIMフリーとは何かこちらの記事で理解できたでしょうか?
SIMロックを解除してSIMフリーにすることで、どの会社のSIMカードでもスマホを利用できるようになります。
SIMロックの解除は各キャリアの公式サイトから簡単におこなえますよ!
SIMフリーにすることで自分の好きな通信会社と契約できるようになりました。
格安SIM会社は数が多く選ぶのは大変ですが、おすすめの5社でお伝えしたようにそれぞれの強みがあります。
自分に合った格安SIMを選んで、お得に楽しくスマホを利用してくださいね。